働く車椅子ユーザーにとって駐車場が必要な理由

2017.10.23 (月)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子を利用していると物理的バリアの中で4つのバリアに遭遇します。「トイレのバリア」「駐車場のバリア」「通路幅のバリア」「段差のバリア」です。4つのバリア以外にも物理的バリアはありますが、私としてはこの4つのバリアがクリアしないと就労に影響すると思っています。車椅子ユーザーにとって少しでも働きやすい職場環境になっていくことが望まれます。今回は「駐車場のバリア」について説明します。

公共交通機関で通勤するのは難しいケースが多い

サラリーマン時代の私は、車通勤をしておりました。私の住んでいる茨城県となると公共交通機関を使っての通勤はかなり難しいものです。近所を走っているローカル線は無人駅が多く、首都圏のように気軽に電車に乗る環境ではありませんでした。また最近ではバス路線の廃止が目立っており、駅からの交通手段はありません。そのような状況下においては、公共交通機関で通うのは難しく車通勤をするのが当たり前の環境でした。

 

逆に都内で勤務する車椅子ユーザーにおいても、できれば車で通勤したいと思っている車椅子ユーザーは多い状況です。やはり首都圏といえども乗換などを考えると電車通勤は大変なものです。なぜ大変かといいますと、一般の人のように乗りたい電車に気軽に乗れるわけではありません。乗降する駅同士の連絡などがあるので、1・2本後続の電車への乗車になります。乗換があればなおさら時間がかかります。

 

つまりアプリの乗換案内のような通勤はできません。また混雑している電車に車椅子ユーザーが気軽に乗るようなことはできません。そうなると車での通勤を望みたくなるのは分かるはずです。しかし都内の事業所においては、公共交通機関に限ると明記されているところもあります。そうなれば車椅子ユーザーの採用は難しくなると思います。また採用をしても長続きしない可能性もあります。

車椅子ユーザーの駐車スペースは通常の2.5Mに1Mが必要

そこで必要になるのが駐車場のバリアです。一般用の駐車スペースでは車椅子ユーザーはとめることができません。車椅子ユーザーが必要とする駐車スペースは、通常の駐車スペース2.5Mの他に車椅子との乗降するための1Mを加えた3.5Mとなります。これを企業側が作れるかどうかが大きなポイントです。もし難しいのであれば、近隣に契約できる駐車場があるのかどうかです。

 

さらにお願いしたいのは、雨が降った時の対応です。車椅子ユーザーは自分で傘を差すことができません。雨合羽を着用したとしても車椅子との乗降の際にはクッションがずぶ濡れになってしまうことが想定されます。クッションが濡れてしまったら1日中座っている車椅子ユーザーにとって乾かないクッションの上で過ごすことになります。そのためにも乗降の際に傘を差していただける人がいるととても優しい企業になります。

 

ここで立ち返ってほしいのが、採用するにあたり働きやすい環境を作っていくことを前提としてほしいということです。どうしたら通勤しやすい環境になるかを考えていただきたいものです。車椅子ユーザーにとってのバリアを解消すれば一般の従業員のように働くことができるようになります。そこが何なのかを企業側は当事者の声を知っていただくことから始めてみてはいかがでしょうか?

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