障害者雇用は採用後が本当のスタート|昇給・育成でモチベーションを高める職場づくり

2025.08.26 (火)

社会や企業が「バリアフリー」を掲げる中で、本当に求められているのは、制度や設備だけではありません。
それは、日々の接客や職場での小さな心配り――つまり「心のバリアフリー」です。

 

中央省庁における障害者雇用率の水増し問題が発覚したことで、最近では障害者雇用の採用試験実施がメディアで盛んに報道されていました。

 

障害者雇用について可能性が開けたものの、「採用後の育成はどうするの?」という点こそ、真剣に考えなければならないテーマです。

 

むしろ大事なのは、採用までのプロセスよりも「入社した後」に力を入れることだと私は思います。

 

障害者の就労年数は障害の状況によって大きく異なりますが、長続きしないケースも少なくありません。

 

特に退職理由として目立つのは、職場のコミュニケーション不足や、昇給ができないといった待遇面の不満です。

 

そこで今回は、私自身の経験をもとに、昇給や育成における課題について考えてみたいと思います。

 

一生担当者ではないかと思ってしまう不安

Screenshot

 

私は入社時は健常者でしたが、1年半後の交通事故により車椅子ユーザーとなり、復職した際に大きな不安を抱きました。

 

「健常者のときのように仕事をこなせるだろうか」「自分にできる仕事は何か」という不安が頭をよぎりました。

 

地方公務員を目指すことも考えましたが、当時の会社は私に復職のチャンスを与えてくれました。

 

そして、厳しくも温かい上司の指導により、担当者時代を乗り越えることができました。もしこうした上司がいなければ、モチベーションの低い日々を送っていたかもしれません。

 

企業にとって障害者雇用のノウハウが必要不可欠

 

しかし、上司の力量や考え方によって職場環境が左右されるのは、働く側にとって不安要素です。

 

だからこそ企業は、障害者が安心して働けるための育成プログラムや働き方のノウハウを持つことが必要です。

 

将来どのようにステップアップできるかが明確になれば、働く上でのモチベーションも高まります。これは企業にとっても人材育成の観点で大きなプラスです。

 

しかし私のサラリーマン時代、29歳のときの面談で上司から「車椅子利用者が直属部下の課長になったら困る」と言われ、退職を勧められた経験があります。
これは会社全体の考え方ではないにせよ、上司によって価値観が異なることで働きづらさが生まれるのです。

 

育成しようとするスタンスが本人のやる気に火をつける

 

この経験から、私は「自ら戦略を立てなければ昇給のチャンスはない」と考えるようになりました。

 

諦めず挑戦を続けた結果、10年後には課長職に就くことができました。

 

しかし理想を言えば、企業が採用者と共に育成プログラムを作り、本人のやる気や成長を後押しする環境を整えるべきです。

 

そのためには、本人のできること・やりたいこと・努力すればできそうなことを棚卸しし、業務に反映していくことが欠かせません。

 

そして、本人が知らないところで「できない」と決めつけることは絶対に避けるべきです。

 

業務の幅を広げることは評価対象を増やし、本人のモチベーションを高めます。

 

障害者雇用は、採用がゴールではなくスタートです。
ポジティブな育成と評価の仕組みを整えることで、真の意味での戦力化が進むでしょう。

 

今日からできる小さな一歩が、誰かの大きな可能性を広げます。

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