車椅子ユーザーが仕事をしていくための職場環境(ハード面)について
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回は職場環境のハード面についてご紹介します。21年間総合スーパーに在籍しましたが、ハード面については、かなりきちんと対応してくれた会社だったと今でも感謝しております。障害者がいる職場環境(ハード面)について、私の事例を踏まえて述べたいと思います。
支えてくれた人がいたことでバリアフリーの職場環境へ
私が車椅子ユーザーとして復帰したときに大変だったのは、机の高さでした。一般的な事務用机のサイズは、車椅子に乗ったままではどうしても膝が当たる高さとなっておりました。
当時、関東本部の人事課長が私のためにパソコン用机を用意してくれました。本当にありがたかったです。この配慮がなければ、毎日の仕事でパソコンで入力する際に、辛い体勢のままやらざるを得ませんでした。
そうなれば仕事の効率が低下するばかりか、パソコンを入力する姿勢にも無理が生じます。人事課長と話をする機会があって、「困っていることはありませんか?」と質問をして下さった事で実現しました。
私はこのパソコン机を導入していただき、パソコン入力がとてもスムーズになりました。机は5万円前後したと思いますが、私の人件費におけるパフォーマンスを考えた場合、その5万円は仕事の効率ですぐに取り戻すことができました。
日頃のコミュニケーションがあってこそ不具合も分かってくる
次の事例は、私が東京の関東本部に行く際に身障者用トイレがなかったので、毎回近隣にあった東京電機大学に電話をして「明日、終日トイレをお借りしますがよろしいでしょうか?」と許可をもらっておりました。
その後、私が労働組合の活動をすることになったときに、たまたま上記のことを組合のメンバーに伝えたことで、労働組合から関東本部の総務部長へ話がいき、出張する関東本部のビルに身障者用トイレを設置してくれたのです。
関東本部は自社ビルではなかったので、身障者用トイレの設置は難しいと思っていました。それが実現したのですからビックリです。いろいろな方が支えになってくれたから実現したのです。
ここで重要なのは、障害者の採用において「健常者には分からない障害者の不具合をヒアリングすること」です。そのためには、日ごろのコミュニケーションをとっておく必要があるということです。
毎月実施の安全衛生委員会などで職場環境の議論が重要
よくある話では、障害者の採用をしてもその後は全く会話がないという状況も起きているようです。その部分に耐えられなくて、障害者の退職理由の1つに挙がっていることも確かです。
直接のコミュニケーションだけでなく、会社では毎月実施している安全衛生委員会などで従業員の職場環境について取り上げてみるのもいいのではないでしょうか?コスト面で改善するのは難しい部分もあると思いますが、まずは声を聞くところから職場環境を改善できると思います。
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