病気・事故などによって復職できない理由とは?
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。先日、ある番組内でがんの発覚で企業を早期退職する人の割合が40%近くもいると放送されていました。会社には迷惑がかけられないという理由で退職される方が多いようです。だからといって会社に居続けることも難しいのが日本の企業なのかもしれません。ある日突然病気や事故に遭った場合だからこそ、大事な戦力として雇用を維持されるような制度が欲しいものです。
現代における就労テーマがなかなか導入されにくい
なぜ退職しなければならないのか。企業の雇用制度そのものが昔のままで、現代に合った整備をされていない背景があります。例えば、ワークライフバランスだったり、ダイバーシティだったり現代の多くの課題があるものの、企業戦士として戦ってきた方々にはなかなか興味が薄く、関心のないテーマなのかもしれません。
企業が病気のための休暇制度を設けているのはわずか20%位という状況です。手術・治療を考えると時間管理の有給休暇などがあれば、午前中だけ病院に行く事も可能になるはずです。自分は絶対に病気や事故ならないはずと思っていても、ある日突然悲劇は起こるものです。そうなると救済されないのが現代社会になってしまっています。
私の場合は、交通事故でしたので私傷病扱いでした。勤続年数がまだ1年ちょっとでしたので、私傷病で休職できる期間は1年でした。社内の有給休暇や長期休暇などを合わせて1年3ヶ月くらいまでに会社に戻れなかったら自動退職になるものでした。1996年9月1日に交通事故に遭い、翌年の1997年12月15日までが休職期間でした。
障害を負ったことで復職することは厳しかった
奇跡的に翌年の1997年11月21日に仕事復帰することができました。でも私のように在籍していた企業に戻ることのできた脊髄損傷者はまれでした。入院中に休職期間が終了したり、戻ってきても働く場所がないということで、やむなく退職せざるを得ないケースがほとんどでした。
入院先のリハビリセンターで知り合った一番の親しかった仲間の1人(私より20歳も歳をとった方)は、一緒にスポーツをしたり、遊んだりして、人一倍元気があり、ものすごく活発な方でした。しかし、労災であったにもかかわらず会社からは戻る場所がないという理由で退職になってしまいました。在籍中は課長職だったようです。仕事をバリバリこなしていた人だったこともあり、人よりもプライドがあったのだと思います。
ところが、こんなにパワーのある人が退院したら仕事に就くことができませんでした。仕事の相談を何度か受けて、私は「過去のような仕事にすぐ就けなくても、まずは気軽に働けるようなところからスタートしたらいいんじゃないんですか?」と言ったものの、彼には過去のプライドがあったことと、家族を養っている意識が強くて「そんなところじゃ働けないよ」と言っていました。その後、ストレスとお酒でお亡くなりになりました。とても無念でした。
ある日突然病気・事故にあっても救済してほしい
現代になっても雇用を取り巻く環境は、まだまだ良くなっているとは状態にはなっていません。ある日、突然病気になったり、事故に遭ったりしたら救済されない社会が続いています。そういった部分を大切にする企業が増えてくるを願っております。
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