働く車椅子ユーザーが相対評価で勝ち上がるには戦略を立てる
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。ハンディキャップがあっても昇進したい・給与を上げたいと思う気持ちは誰でもあるはずです。でも現実はなかなかそううまくいきません。そのためにハンディキャップがあることでいつまでも同じ給与のままというケースをよく見かけます。ではどうしたらそのケースを打開できるのでしょうか?
相対評価の中で昇格するのはかなり狭き門
まずはじめに「なぜ同じ給与のままになってしまうのか」という課題です。その理由は、企業の評価制度において「相対評価」が使用されているだからです。相対評価であることがハンディキャップのある方にはとても厳しい立場に追い込まれてしまいます。絶対評価であればその人が頑張ったから給与を上げてあげようとなるのですが、そういった企業は少ないと思います。なぜなら社内には人件費予算があるからです。
人件費予算があるということは、1年間で何人昇格させていいのかを考えた上で予算を作成します。頑張った人すべてを昇格させてしまうと人件費予算に対し、人件費の実績が予算オーバーになります。そのために昇格できる人数を選抜しなければなりません。そうなると「相対評価」というものが使われてしまいます。
相対評価というのはどういうことなのでしょうか?それは社内に在籍している中で順位を決めて、社内の中で上位に入らないと昇格できない仕組みです。そうなると残念ながらハンディキャップがあるということがかなり厳しい局面を感じるはずです。私も車椅子ユーザーですから「仕事には復帰できても昇格・給与アップには縁がないんだ」と何度も思ったものです。
できない業務があるとネガティブに考えてしまいがち
それは「できない業務」があるから余計にそう感じるのでしょう。私は総合スーパーに所属していましたが、荷物を運ぶことやレジに入ることなど「できない業務」があります。「努力をすればできるんじゃないの」という声があるかもしれません。もし努力したとしても参加することは可能ですが、「できる業務」にはならないでしょう。なぜならその業務によってパフォーマンスを発揮するには至らないからです。
でもこのような厳しい局面の中でどうしたら相対評価に勝ち抜くことができるかが戦略になります。ここからはハンディキャップがあってもどう戦略していくのかを教えます。「できる業務」と「できない業務」に分けてお話いたします。まずは「できない業務」における対処方法です。
「できない業務」というものは、参加姿勢だけを見せておくことが大きなポイントです。ピンチな時はいつでも対応しますというポーズが重要です。でも「実際にピンチな時は頼まれてしまうのでは?」と思いがちですが、頼まれることはほぼありません。なぜならばパフォーマンスを発揮することができないことは誰もが知っているからです。
チームに協力する気持ちだけはアピールをしておく
ここで言いたいのは、そういった状況下においても「ピンチな時でも協力するという輪の中に入っておくこと」です。「できない」と拒否してしまうことで、輪から外れてしまいます。できないことはみんなが知っているはずですが、応援している気持ちがあれば、同僚はあなたを仲間だと思うからです。そこが大きなポイントです。つまり相対評価において極力下げずに済ますための方法です。
次に「できる業務」はとにかく「極める」ことです。電話応対ならば他の人より率先して電話をとったり、受け答えはものすごく丁寧だったりすれば「この人がいるからその部署が成り立っている」と思われるからです。でもどうしたら極めることができるのか分からないはずです。
心配することはありません。今はインターネットなどが充実した社会です。電話応対・クレーム対応などプロフェッショナルな記事はたくさん紹介されていますし、書籍などもいろいろと読んでみることです。もっと極めたいのであれば、外部のセミナーに参加したりするのもいいでしょう。自分に足りない技術は、どんな局面でも補っていくことこそが、プロフェッショナルへの道につながるからです。それが相対評価の中で上位に行く秘訣です。「人よりも優れている=企業に貢献している」と思われるようになるからです。
相対評価でもどうすればいいのか戦略を練っておく
私の場合は、最終的に店舗責任者として、人事・総務・予算・経費・事件事故対応・クレーム対応・従業員教育の全般に至るまでやっていました。その立場では車椅子ユーザーであるかどうかは全く関係ありませんでした。とにかく相対評価の中で上位に行くためにはどういう風にするかを考えていました。それが昇進・給与アップにつながる道だと思っていたからです。
企業としては活躍しているのであれば、素晴らしい評価を下すのは当たり前です。もし活躍していても車椅子ユーザーだからといった理由で、評価を下げるといったら明らかに障害者に対する偏見・差別です。しかし残念ながら実際に私もこのような経験をしたことはあります。とても悔しい限りでした。
でもそのような見方ばかりをする人ではありません。一生懸命やっている姿は必ず誰かが見ているものです。私はそういった人によって何度も救われました。本当に感謝しております。だから決して諦めないでください。頑張ればきっと希望の光はあります。あとはあなたがどれだけ戦略を立てて臨むことができるかがカギを握ります。
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