車椅子における段差のバリアは1段と2段では全く違うワケ

2018.12.15 (土)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人

バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。

 

お店の入口において段差があると、

車椅子で利用者にとって

バリアになることは

誰でも分かることでしょう。

 

その中でも意外と知らないのが、

1段の段差と2段以上の段差によって

ものすごく大きな違いがあることです。

 

実はこのたった1段の違いが

サポートする人員が変わってくるんです。

 

それってご存知でしたか?

わずか1段だけなのにこんなにも違うなんて…

もちろんお店の入口に段差がなければ、

誰もサポートすることなく

車椅子利用者がそのまま入店することが

可能になります。

 

もちろん当たり前ですよね。

 

もし段差があっても、

併設してスロープがあれば

利用しやすくなります。

 

但し、このスロープについては、

注意しなければならないのが勾配です。

 

基準である1/12より緩くなればいいのですが、

それより勾配が大きくなると

1人で上ることはできなくなるでしょう。

(1上がるのに12の距離が必要となる)

 

本題に戻りまして

なぜ1段と2段以上の段差によって

大きな違いがあるのかですが、

1段であれば対応する際にマンパワーでも

1名で何とかなることがほとんどです。

 

車椅子をサポートする方が

後ろから前輪を持ち上げるだけで

上ることが可能になります。

 

さらにホームセンターなどで

販売している段差解消スロープを使えば、

車椅子利用者が誰の手助けもなく

段差を上りきることも可能になります。

 

ところが2段以上になるとどうでしょう。

 

これは1名のサポートだけでは難しくなります。

 

1段と同じように車椅子をサポートする方が

後ろから前輪を持ち上げても、

スペースが少ないために後輪まで上りきる前に、

前輪が2段目の段差にぶつかってしまいます。

 

だからといって

一気に2段を上ることもできません。

 

そのため、最低でも2名以上、

一般的には4名のサポート人員が

必要となってしまいます。

 

さすがに1名であれば、

通りがかりの人にお願いして

サポートを受けることが可能になりますが、

4名となれば、

人を集めてくるのも一苦労です。

 

そういったことを考えれば、

1段と2段以上の段差は大きく違うものです。

お金をかけるのであれば使いやすくしたい

そのため2段以上を

1段にすることができるのであれば、

今まで以上に車椅子でも利用しやすくなりますし、

段差解消スロープを設置すれば

さらにもっと利用しやすくなるでしょう。

 

あとは、段差のあとに

どれだけのスペースがあるかが必要となります。

 

入口のドアと段差を上り終えたあとの

スペースが少ないかどうかや、

通路幅がきちんと確保されているかなどの

課題がクリアされているかどうかです。

 

そういったことを踏まえると、

できる限り車椅子利用者の意見を

聞きながら進めていくことが

大事なポイントになります。

 

当事者不在で造ってしまい、

あとになって不具合が発生していたことは、

往々にしてよく見かける光景です。

 

せっかくお金をかけたのに、

改悪になってしまうのは

絶対に避けたいことです。

 

ぜひとも十分に

いろいろと検討してみてください。

 

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