店舗運営にはおさえておきたいバリアフリー【駐車場編①】

2018.12.17 (月)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人

バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。

 

お店を経営している方々が

バリアフリーの知識をあまり知らなくても

「これだけは知っておいたほうがいいこと」

が実はあるんです。

 

そのことを知らないと

「お店がバリアフリーに力をいれています」

とおっしゃったところで、

疑われてしまうケースがあります。

 

そういったものはいくつかあるのですが、

その1つが「身障者用駐車スペース」です。

 

車椅子を利用しているお客さまが

来店されたときに、

知らないで対応すると

リピーターどころか

嫌われてしまうようなことがあります。

 

ぜひ一緒に働いている従業員の皆さまにも

お伝えしたほうがいいポイントをご紹介します。

なぜ身障者用駐車スペースは広くなっているの?

身障者用(障害者用)駐車スペースとは、

一般の駐車場に比べて

広く設定されているのが特徴です。

 

なぜ広くできているのかご存知ですか?

 

なぜ斜線のゾーンがあるのかご存知ですか?

 

これを分からないで運用していると、

ちょっとしたトラブルになってしまいます。

 

ある例をもとに考えてみてください。

 

店舗の入口で

縁日のようなイベントを開催する際に、

どうしても身障者用駐車スペースが必要になって、

そこにある2台のスペースを

そのイベントで使いたいと考えました。

 

でも2台分のスペースが無くなってしまえば、

車椅子を利用されるお客さまにとって

とても困るだろうと考えました。

 

そこで2台分を別の場所に設置しました。

 

店舗の入口にできるだけ近いスペースにあった

一般用の駐車場2台分を、

身障者用駐車スペースと掲示しました。

 

さらにスムーズに誘導するために

警備員にも立哨してもらいました。

 

警備員は車椅子利用のお客さまに対して、

「今日はこちらが身障者用駐車スペースですので、

申し訳ございませんが、こちらのスペースを

ご利用ください」と案内しました。

 

これで大丈夫でしょうか?

 

「2台分のスペースをあえて用意したし、

できるだけ入口に近いスペースを

用意したから大丈夫」と思うでしょう。

どうして2台分用意したのにダメなのか?

答えは×なんです。

 

一般用の駐車場2台分に誘導したとします。

 

もし隣に一般のクルマがとまったら

どうなるでしょうか?

 

クルマとクルマとの間は、

人が歩けるだけのスペースしかありません。

 

しかも運転席のドアは全開できません。

 

ドアは半分くらいしか開くことができません。

 

ここでお分かりだと思いますが、

車椅子利用者は運転席のドアが全開でなければ、

車椅子からクルマへの乗り移りができないんです。

 

そしてその施設からクルマを

発信させることができないんです。

 

帰りたくても帰れなくなってしまいます。

 

困りますよね。

 

そのようなお店を利用すると

なったらどうでしょうか?

 

また来たくなるお店どころか

二度と来ないお店になってしまうでしょう。

 

だから身障者用駐車スペースとは、

通常の駐車スペースの2.5Mにプラスして、

1Mの乗り降りするための

スペースを用意しているんです。

 

今回のようなイベントであっても

なるべくそのスペースを

利用しないのが適切です。

 

なぜこのスペースをわざわざ使って

イベントをやらなければならないのかと

お客さまからのクレームが入ることも

考えられます。

 

でも工事などをするためにやむを得ない場合は

乗り降りできるスペースをきちんと確保して

用意しておくのが必要です。(1台当たり3.5M分)

知らないとトラブルになることも・・・

些細なことかもしれませんが、

知らないで誘導してしまうと

とんでもないことにつながる場合があります。

 

しかも車椅子利用者が警備員に

「このスペースではとめられないので、

広いスペースはありませんか?」

と説明しても全く分かってもらえない

といったことがもよくあるんです。

 

お互い日本人なのに

知らないがゆえに通じない。

 

お店の従業員は温かく迎えようとしても、

入店する前に会う警備員の不親切な態度によって

台無しにしてしまうのは避けたいものです。

 

私もショッピングセンターの

人事総務課長をしていたので、

こういった事例が起きないか

いつも気にしていました。

 

せっかくお越しいただいた

お客さまに喜んでいただけるためにも、

ぜひ知っておいたほうがいい知識です。

 

こういったケースを

随時ご紹介していくことで

少しでも皆さまの関心に

つながれば幸いです。

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