車椅子でも利用できるバリアフリー発想のビジネス展開
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。先日、テレビで葬儀のドライブスルーについて取り上げられていました。普通に考えると「なぜ?」と思いがちですが、高齢化社会がより一層進んできている状況も背景にあると感じます。
葬儀に参列したくてもいけない事情がある
私はこの夏で45歳になりました。この年齢になると、結婚式に行く数より葬式に行く数の方が上回っています。お世話になった方がお亡くなりになったのであれば、ぜひともお通夜・告別式に参列したい気持ちでいっぱいです。
悩むところは葬儀ホールがバリアフリー化なのか気になります。参列するときには、葬儀ホールに確認してから現地へ向かいます。もし確認せずに葬儀ホールに行ったものの、中に入ることができなければがっかりするでしょう。
今から10年前の2007年に父が他界しました。しかし私の利用した葬儀ホールには多目的トイレはなく、葬儀ホールに長時間いることが難しく、トイレにいく度に自宅へ戻っていました。私が喪主でありながら父のそばにいることができない不自由さを感じました。当時はまだバリアフリーが整っている環境ではありませんでした。
バリアフリーでなければ行く事のできない事情
葬儀ホールがバリアであれば、車椅子利用者にとっては身内であっても人を見送るようなことができません。そういった背景の中で、高齢者や障害者に対して葬儀のドライブスルーはありがたいことです。
”新システムは「ドライブスルー&アテンドスタイルホール」。葬儀会場の参列者の後ろに車が通り抜けできるスペースを確保し、ドライバーが車から降りずに焼香を済ませられる。これまで参列を諦めていた高齢者や障害者も葬儀に出席しやすくする。
ドライバーはまず自動受付機で氏名などを入力する。ドライバーだけでなく同乗者も、車に乗ったまま参列者の後ろにある焼香台で焼香を済ませられる。焼香の様子はカメラで撮影し、会場の遺影の横に置いたスクリーンに映し出して誰が参列したかが分かるようにする。焼香を済ませたドライバーはゲートを開くボタンを押して退場する。”(日本経済新聞 記事引用)
今回の葬儀については、いろいろと賛否両論の意見はあると思いますが、その人の立場にならないと分からない部分だと思います。お世話になった故人にご挨拶をしたいと思っていても、バリアフリーではないから諦めていた方にとっては朗報です。
バリアフリー化が新たな価値を生み出す
実際に自分が喪主であれば、葬儀ホールをどこにするかを決めることができますが、そうでなければ必ずしもバリアフリーの会場になるとは限りません。
今回の取り組みは、バリアフリー化にすることで新たなビジネスになる可能性が出てきました。大事なのはその人の立場になって考えてみることではないでしょうか?意外とまだまだ誰もが気づいていないビジネスが眠っている可能性があるはずです。
関連する投稿
- 車椅子利用者の目線なしにバリアフリーを設計するのはNG行為
- 店舗のバリアフリー化は集客による売上効果・人に優しい企業の証になる
- 車椅子利用者の必要なニーズを掴むことのポイントとは?
- 車椅子でも利用しやすいスロープの勾配を考えてみる
- 車椅子利用者とのズレが生じてしまう駐車場のバリア事例とは?
現在の記事: 車椅子でも利用できるバリアフリー発想のビジネス展開