車椅子の操作・旋回する際に段差がなくても厳しい条件
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子走行を考える際に、明らかにバリアとなるのは「段差」「通路幅が狭い」などが挙げられますが、意外と健常者の方からは気が付きにくいものがあります。そういった点をいくつかご紹介します。実際の各施設にもしあれば検証していただくとよく分かると思います。
じゅうたん・芝生・砂は走行しにくい
まず気になるのは「じゅうたん」です。ショッピングモールなどにおいても、1階フロアは床であるにも関わらず、2階・3階フロアはじゅうたんになっているケースがあります。もちろん雨が降った時に滑らないという意味もありますが、車椅子走行の際はタイヤとの摩擦が効いてしまうので重くなります。
よくあるのが、ホテルに敷いてあるふかふかのじゅうたんです。フロアからバリアフリールームまでが長いと結構疲れてしまうこともあるくらいです。さらに部屋の中にも、ふかふかのじゅうたんがあると車椅子が漕ぎにくくなります。筋トレをするためにホテルへきている感じさえします。
次に車椅子を漕ぐのに辛いのが「芝生」です。一見大丈夫なように見えますが、スムーズな走行ができなくなります。特に前輪キャスターが走行の邪魔になってしまうので、前輪キャスターを上げてウイリー状態にしながら進むこともよくあります。
あとは「砂」です。砂は前輪キャスターだけでなく、後ろの後輪も動かなくなります。しかも、石ころのような形だとパンクが気になります。小さな砂だと全く身動きがとれなくなります。そのために工夫されているのは、茨城県にある大洗サンビーチでは、砂浜専用の車椅子を用意してあるくらいです。
JINRIKIを使えばクリアしやすくなる
その他では「舗装していない場所」もあまり好ましくありません。キャンプ場などに行くともちろん舗装していません。走行はかろうじて可能ではあるものの、土がタイヤにびっちりついてしまいます。また地面がフラットでないために、バランスが取れなくなってしまいます。
そういった点では、以前ご紹介したけん引式車椅子補助装置「JINRIKI」があれば、前輪キャスターが地面につかないこともあり、クリアできる可能性があります。もちろん自走の場合はJINRIKIを使えませんが、介助者がいれば何とかなる優れものです。
ベビーカーを利用する方にとっても、このようなバリアは車椅子利用者同様に厳しいと思います。高齢化社会も進んでいる中で、いかに多くの人が利用できるかどうかで状況が変わってきます。少しでも利用しやすい環境になっていくことを願っております。
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