「バリアフリー化はビジネスにつながる」と考えることができる理由
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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
ビジネスの世界では、バリアフリーの導入はものすごく少ないのが実態です。
どうしてもネガティブに考えてしまうと、「コストがかかる」「儲からない」などのイメージが湧いてきてしまうのでしょう。
でも超高齢化社会になっている現在においては、マイナーな立場ではなくなりつつあります。
高齢者3500万人の中には、病気やけがで車椅子生活を余儀なくされている人がたくさんいます。
そこでどういった考え方があると、ビジネスにおいてポジティブになるのかをご説明します。
マイナーな立場ではなくメジャーな立場になりつつある日本
まず車椅子利用者からの視点です。
私は24歳のときに交通事故に遭い、22年以上車椅子生活をしています。
今ではバリアフリーという言葉が定着し始めていますが、以前は「バリアフリーって何?」と言われてもおかしくないくらい誰も知らない世界でした。
それから22年が経った現在はどうなのかと申しますと、法律上設置をしなければならない公共交通機関や大型商業施設などのバリアフリー化は整備されました。
しかしそれ以外のスポットは、まだまだ少ない状況です。
そのため車椅子利用者がバリアフリースポットの情報をネットであれこれ探しています。
でもバリアフリーの情報はなかなか見当たりません。
冒頭に述べたように、今はマイナーな立場から、人数が多い立場へと日本は変わってきています。
だから以前とは状況は大きく変わっています。
一見すると需要と供給のバランスが釣り合っていないような状態です。
でもなぜ需要と供給が合わないのかという問題ですが、それは至って簡単です。
車椅子を利用している人は困っていても、経営者の皆さまは困っていないからです。
困っているから何とかしようと思うのであり、困っていなければ気がつかないのがほとんどです。
バリアフリーが集客につながるなどの別の視点があれば、気になる経営者の皆さまもいらっしゃるでしょう。
でももしバリアフリー化にしたいと思っている経営者の皆さまがいても、資金に余裕がない限り、導入できないという側面もあります。
もともと従来からバリアフリーをビジネスツールにするという見方は誰もがイメージしないので、バリアフリーを導入するならば、お金だけがかかるという印象が強いのかもしれません。
でもバリアフリーが集客につながるビジネスツールとなれば、見方が大きく変わるでしょう。
イメージを変えてみるとバリアフリーの魅力が見えてくる
そこでどうしてもブレーキがかかるのは、「うちのお店は車椅子で利用される人が来ないから必要ない」という声があります。
来ないから必要ないと思ってしまいがちですが、それは「車椅子で利用できないお店だから誰も来ない」というのが回答です。
お店の入口に段差があって、店内は車椅子で通れるスペースがなく、車椅子で入れるトイレがなければ、間違いなくどんなに料理がおいしくても、従業員の接客・応対が素晴らしくても、車椅子利用者は行かないでしょう。
これは物理的に難しいからです。
もちろん設備ではなく、従業員による「こころのバリアフリー対応」で考えても、さすがに設備上のバリアが多ければ、結局、居心地がよくなかったり、長居ができないという課題の解決には至りません。
イメージしていただきたいのですが、あなたがトイレに行きたいと思ったときに、トイレがなかったらどうでしょう。
我慢できますか。
もしそういったトイレが世の中の大半の中で、唯一1軒だけがトイレがあったらどうでしょう。
そこに行きたくなりますよね。
それが車椅子利用者の中で起きている現実です。
そんなの嘘だと思うかもしれませんが、都内で100軒の路面店を探しても、多目的トイレのあるお店は多分見つからないのが実態です。
だからこそあなたのお店がその状況に対応できていて、多くの方々に知られていれば、とても貴重な存在になるんです。
「あのお店に行けば多目的トイレがあるから長居ができる」
それが口コミで広がっていくようになるでしょう。
しかも設備の改修工事などをしたとしても、国におけるバリアフリー補助金制度を利用すれば、格安でバリアフリー化を目指すことも可能です。
今のご時世であれば、補助金を利用する企業も少ないことから、明らかに狙い目です。
結果としてバリアフリーはビジネスツールになるだけの価値があります。
まずは考え方から一新してみることをおすすめします。
既成概念だけにこだわっていると、次のステップに移ることも難しいでしょう。
そこで気になることがあれば、バリアフリーの専門家へ相談してみるといいでしょう。
ぜひ今こそバリアフリー化を導入するチャンスです。
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