車椅子利用者が増えている時代の中で、衣料品売り場の通路のバリアフリー化が求められる
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。店舗のバリアフリーを考えた上で、総合スーパー・百貨店・ディスカウント店舗の衣料品売り場における通路について考えてみたいと思います。
障害を負っても、歳をとってもかっこいい服を着たい
先日は、総合スーパーにおける食品売り場の通路について取り上げました。今回は衣料品売り場を取り上げてみました。やはり障害を負っても、歳をとってもかっこいい服装を着たいと思うものです。
そういう点を考えると、衣料品売り場でいろいろな服を購入したいと思うものです。最近は高齢者の方々も多く来店されていることから、衣料品売り場の通路は気になるものです。
ところが商品をどんどん置くことで、食品売り場同様に年々ごちゃごちゃしているのが実態です。そのため、ハンガーラックとハンガーラックの間の通路幅がものすごく狭くなってきています。
商品に車椅子のタイヤが当たってしまうのは通路幅が狭い証拠
まず気になってしまうのは、車椅子のタイヤが販売している服に当たってしまわないかです。せっかくの商品を汚くするわけにはいきません。だからこそ車椅子で通っても、服に当たらない幅が必要です。さすがに人と人とすれ違う幅はいらないかもしれませんが、最低でも90㎝くらい確保した方がいいです。
次に気になるのが、直線になっていないことが多いため、曲がり角が多いことです。曲がり角は90㎝では足りないかもしれません。車椅子が曲がるためには通常よりも大きくとる必要があります。
奥まで行ったらUターンできないのは危険がはらんでいる
さらに奥まで行ったらUターンできない場合があります。車椅子に乗っていて一番怖いのはバックすることです。もしかしたらハンガーラックの脚にぶつかったりしたら倒れる可能性もあります。そういった点にも注意すべきなポイントだと思います。
その他には車椅子利用者用試着室です。意外と利用している方を見かけないため、きちんと清掃されているかがポイントになります。ある百貨店に行ったとき、試着室を利用しようとしたら「ちょっと待っていてください」と言われました。
せっかくの試着室も無用の長物にならない工夫が必要
店員の方に聞いたところ、普段使われないので物置になっていたそうです。どうしても利用が少ないと、普段から商品をストックする場所が少ない小売店にとっては、物置になってしまいがちです。
ポイントとしては、意外と車椅子利用者の方に試着室が知られていないことがほとんどです。まずはPRすることです。無用の長物になりかねません。せっかく設置しているのであれば、毎日清掃をしてお客さまを迎える体制を整えることです。それが「選ばれるお店」につながるはずだと思っております。
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