飲食店・レストランの入口がバリアフリーであることのポイント
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。最近では、飲食店においてもバリアフリー化に取り組んだお店をみることがあります。身障者用駐車スペースであったり、多目的トイレであったり、段差がなかったり、車椅子利用のお客さまに利用しやすい環境へと変わりつつあるものの、入口のバリアが解消されていないことがあります。どういった点が重要なのかをご説明します。
取っ手はバリアになってしまう
大きなポイントはドアです。お店の入口のドアを開けると、風除室があり、もう1枚のドアを開けて、やっと店内に入ることのできる構造になっております。店内に冷たい風を入れないために風除室があると思いますが、どちらも取っ手であるために、車椅子・ベビーカー利用のお客さまや杖をついているお客さまにとっては、使いにくくなります。1枚目のドアと2枚目のドアとの間隔が短い場合には、さらに車椅子で入店されることが困難な場合もあります。
どなたかが一緒に同行している場合であれば対応可能になりますが、1人でいらした場合はドアを開けにくいでしょう。お店の従業員においても、1枚目のドアの前で苦労されている人がいても、なかなか気づかないかもしれません。そうなると入口に通過する前に、お店へのバリアを強く感じてしまいます。
私のような手や腕を使える車椅子利用者なら対処できますが、頸椎損傷の車椅子利用者であったり、杖をもった歩行者である場合は、この取っ手はとても使いにくい構造です。しかも2枚あるのは大きなバリアになってしまいますので、せっかくお店全体がバリアフリー化にしても、入口だけがバリアフリー化していないのは、お客さまに対して不信感を与えてしまうかもしれません。
入口がバリアだとイメージが悪くなってしまう
ではどうしたらいいのでしょうか?もちろん改修工事をするかどうかは費用がかかるために、やったほうがいいとはいいにくい面もあるので難しくなりますが、できることならば経費をかけてでも、対応さたほうが、お店に対するイメージが変わるでしょう。しかも他の部分のバリア解消をしているのであれば、ぜひとも万全なものにすることで、利用される方々のお店への価値はもっと高まるでしょう。
もし施工するとなれば、従業員の皆さまに車椅子へ一度試乗していただくのをおすすめします。もちろん、車椅子操作自体は通常使い慣れていないので難しく感じますが、なぜ取っ手が使いにくいのか?なぜ風除室とのスペースが狭いと大変なのか?を試乗することで感じるでしょう。体感することでどうしたらいいのかなどの案が出てくると思います。そしてお互いに考えていくことが、バリアフリーに対するコミュニケーションにつながり、お客さまに喜んでいただけるお店へと変わるはずです。
大事なことは、お客さまの目線に合わせて物事を考えることではないでしょうか?どうしても多分こうしたほうがいいだろうと机上論になってしまいがちですが、車椅子に試乗することで見える世界は大きく変わるにちがいありません。そこでいろいろな発見や気づきがあるでしょう。それを活かしていくことがお客さまの気持ちに一歩近づくことになると思います。
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