車椅子のバリアフリー化には舗装道路の質が大事な理由
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。街中で車椅子の走行をしていると、段差や勾配などはもちろんのこと、舗装された道路の状態も意外と気になるものです。一般の人にとっては、舗装道路の種類について気になることはないはずです。しいていえば、道がガタガタくらいしか気がつかないでしょう。でも車椅子ユーザーがなぜそこまで気になるのかをご説明致します。
車椅子のタイヤ選びによって感触が大きく異なる
現在人気のあるTBSドラマ「陸王」をご覧になっていますか?実業団陸上部に所属する茂木選手のために、足袋を作っている社長が足に優しいシューズを開発しています。地面から受ける衝撃を吸収しやすいソールにするかどうかが大きなカギを握っています。
一般の人がマラソンをする際でも、どんなソールにするかで大きく値段が変わってくるはずです。履き心地だけでなくソールの厚みなどによっても、走りやすさが変わってくるでしょう。それと同じことが車椅子の世界にもあるのです。
車椅子ユーザーにとってもタイヤを種類によって、身体に受ける振動は大きく変わってきます。走りやすいタイヤほどパンクしやすいかもしれません。逆にパンクをしたくないからといって、ノーパンクタイヤにすれば走行性が悪く、身体への振動を受けやすくなってしまいます。もちろん、その選び方は人それぞれです。
大きな課題はタイヤではなく舗装道路の質の問題
ここまで述べると、車椅子のタイヤを変えれば大丈夫では?と思えるでしょう。でもそれだけで解決できることではありません。もしできることならば、舗装道路の種類に応じた道路整備が重要ではないかと思います。
歩く人にとって、舗装道路の質の違いには気づかないと思います。自転車に乗っている人でもそれほど気づかないでしょう。でも車椅子利用者やベビーカーを利用している人にとっては、舗装道路の質の違いには気づくにちがいありません。
地面を一度じっくり見てみると違いが分かると思います。いろいろな舗装道路を見比べると道路の粗さが変わっていることに気づきます。どんな舗装道路でもきちんと舗装をしているのでパンクをする恐れは少ないと思いますが、舗装道路が粗いことで車輪はガタガタして、走行しにくい状態になります。
新設・改修工事をするなら舗装道路の質も検討してほしい
ここでお伝えしたいのは、車椅子利用者やベビーカーを利用している人がよく使う施設の駐車場などの舗装状態をもう一度チェックしていただきたいと思っております。一度整備すると難しいとは思いますが、今後において、病院や公共施設を新設もしくは改修工事をするといった場合には、ぜひとも検討してほしいポイントだと思っております。
舗装すれば大丈夫だということではなく、利用する人の立場にたって考えてみると、使い勝手が変わってきます。こういった事例はあくまでも舗装道路に限らないと思っております。現代において、「あればいい」という時代は遅れています。むしろ利用者の立場を考えて「使いやすい」ことが求められています。当事者の困りごとに気づくかどうかが大きなポイントですので、当事者の声をヒアリングして改善につなげてほしいものです。
関連する投稿
- 100軒にたった1軒だけでも存在すればバリアフリーの価値が高まる理由
- 車椅子ではなかなか行きにくいスポット「ライブハウス」
- 東京ドームのジャイアンツ観戦がバリアフリーで変わったポイントとは?
- ドライブスルーなどの発想でバリアフリー化につながる考え方
- 車椅子利用者にとって観光で真っ先に必要となるのがトイレのバリアフリー
現在の記事: 車椅子のバリアフリー化には舗装道路の質が大事な理由