車椅子のバリアフリーは駐車場の路面状態に注意したい
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
お店などの商業施設における
駐車場の設置場所について
気になることがいくつかあります。
その中の1つが駐車場の路面状態です。
意外と公共の施設においても、
路面状態が良くないことが多く、
「これくらいなら大丈夫だろう」という判断が
時にアクシデントにつながるケースもあります。
今後、駐車場を新しく造る予定、
もしくは改修工事をする予定であれば、
路面状態まで考えた上で
施工されることをおすすめします。
駐車場の傾斜は危険につながることも
まずよくあるのが若干の傾斜です。
よくテレビのワイドショーなどで
放送されている欠陥住宅の特集にあるように、
床にビー玉を置いた途端に
ビー玉が転がっていくようなシーンを
見たことがあると思います。
もし同様な状態で傾斜のある
身障者用駐車スペースを設置した場合は、
車椅子への乗り移りの際に
車椅子が離れて行ってしまいかねません。
この場合にアクシデントとなるのが、
車椅子利用者がクルマから
車椅子に乗り移ることが困難になるだけでなく、
周辺にとまっているクルマへ
衝突する可能性が考えられます。
もちろん駐車場事故については、
当事者間での問題になるとはいえ、
駐車場を管理する立場としても、
施工の責任問題が問われる
可能性があるでしょう。
さらに重大なアクシデントとしては、
その駐車場が一般道と隣接していた場合は、
車椅子が一般道を走っているクルマへの
衝突にもつながってしまうことも
予測できるでしょう。
私はそういった予測のつく現場を
いくつも見てきました。
もし自分の車椅子が手元を離れたら、
重大な事故につながってしまう
不安を感じたこともあります。
そういったことを踏まえると、
傾斜の有無を事前に
チェックしておく必要がありますし、
もし傾斜を直すことができなければ、
傾斜のない場所に
身障者用駐車スペースへと
変更するほうが得策です。
当然、目的地の入口のすぐ隣に
配置しなかったことに対する
クレーム等が発生するかもしれませんが、
その際には上記の理由をもとに
お客さまの安全を最優先したことを
述べればいいと思います。
路面が粗く凸凹があれば身体への衝撃が…
次に気になるのは、
舗装がされているにも関わらず、
アスファルトの路面が粗いケースです。
路面が粗いということは、
凸凹がものすごくあります。
車椅子の前輪タイヤは、
後輪タイヤと違って
空気を入れるチューブがありません。
ノーパンクタイヤとなっています。
これはショッピングモールにある
ショッピングカートやベビーカーなども同様です。
路面に凹凸が多いことで、
地面からの振動が
身体に伝わりやすくなり、
車椅子に乗っていて
ガタガタと衝撃を受けるために
走行性が悪くなります。
最近の車椅子には、
高性能のサスペンションなどの
工夫もされているケースもありますが、
一般用の車椅子では
そのような機能はついていません。
これについては、
路面の凹凸を少なくした施工が
おすすめです。
先ほどの勾配も舗装面についても、
貸出用の車椅子などで
検証してみるとより分かりやすいはずです。
それによって車椅子利用者目線で
物事を判断する材料になることは
まちがいありません。
アクシデントや不満を感じるような点を
いかに少なくしていくことが、
売上やリピーター化にもつながるでしょう。
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