車椅子利用者が使いやすくなる宿泊施設のベッドまわり

2018.03.01 (木)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。ホテル・旅館などの宿泊施設に泊った時に感じるのが、車椅子利用者が感じる不便さです。これは意外と当事者でないと分からないと思いますが、ちょっとした工夫によって大きく変わってくる内容だと思います。どのようなことがあれば便利に変わるのでしょうか?

一般の健常者には感じないようなポイントがある

車椅子利用者というのは、原則歩くことが難しいから車椅子に乗っていることが多いため、一旦ベッドなどに乗り移った後は再度車椅子に乗るのには手間がかかります。一般の人のようにベッドから部屋のテーブルにひょいと物をとってくるようなことはできません。

 

もちろんベッドから車椅子に移るのは日常茶飯事のことですが、一つ一つの動作には時間がかかります。まずはベッドから身体を起こす動作、次に足をベッドサイドに降ろす動作、靴を履く動作、車椅子に乗り移る動作、車椅子を漕ぐ動作というものが発生します。

 

そういったことを考えるならば、わざわざ上記のような動作をしなくてもベッドサイドで完結できるようになるのが便利さの追求になるでしょう。人によっては、横着しているのでは?と思ってしまうかもしれませんが、次にあげるような点については健常者にも同様な意味合いをもつので、バリアフリーというよりユニバーサルデザイン的な意味合いになり、誰もが便利になるにちがいありません。

バリアフリーというよりユニバーサルデザインの観点でもある

例えば、エアコンのスイッチです。リモコンがない場合は、温度調節をする際にベッドから一度車椅子に乗って調整をして、もう一度車椅子からベッドに乗り移るような動作が発生します。ベッドサイドにリモコンがあれば、そのような手間が発生しません。

 

これはエアコンのスイッチだけでなく、照明のスイッチも同様です。ベッドサイドで一括につけたり、消したりすることができない場合も宿泊施設によっては見受けられます。さらにベッドサイドに眼鏡をおいたり、飲料をおいたりする場所がないこともよくあります。

 

上記のようなものがない場合には、さきほど述べたような動作が発生するでしょう。ぐっすり眠っている間に何度も起きたりしないためにも工夫が必要ではないかと思います。こういった部分によっても宿泊施設の快適度が変わってくるものではないでしょうか?

超高齢化社会においての差別化を図ることが狙い

重要なポイントとなるのが、一般の健常者による宿泊施設への喜びは、「温泉がよかった」「食事がよかった」などが挙げられるものの、車椅子利用者にとっては、左記のことも差別化する際には重要なテーマではあるものの、「車椅子でも利用しやすかった」の方が優先されるものです。

 

今後は超高齢化社会に伴い、車椅子で利用する人が増えるはずです。今のところは同伴者が上記のようなことを対応すればいいのではないか?と思っていらっしゃるかもしれませんが、自分でできることは自分でやりたいものでもありますし、車椅子利用者の単独利用も増えると予想しております。街中では私のように車椅子利用者が1人で移動していることは多くなっています。

 

そういった状況を踏まえると、ベッドサイドの工夫におけるニーズはあるでしょう。しかもちょっとした部分だけを当事者目線で考える、もしくは当事者と一緒に考えることによって、今までには知らなかったことや気づかなかったことはたくさんあるにちがいありません。それがお客さまに喜んでいただけて、かつ人気のある宿泊施設につながっていくにちがいありません。

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