バリアフリーじゃないから諦めているお客さまに、あなたのお店は気づいていますか?

2025.08.08 (金)

人の本音に気づくのは、想像以上に難しいことです。

 

たとえば、お店の商品が気に入らなかったとしても、多くの人は何も言わずに静かに立ち去るのが一般的です。

 

はっきりとクレームを伝えてくれるお客さまは、むしろごく一部にすぎません。

 

これは、バリアフリーの場面でもまったく同じです。

 

車椅子ユーザーの方が「このお店に行ってみたい」と思ったとしても、バリアフリーに対応していないと分かれば、利用をあきらめてしまうことがあります。

 

そのお店にどうしても行きたいという強い想いがない限り、「手伝ってもらえますか?」と声をかけることはほとんどありません。

 

つまり、声をかける前に諦めてしまうという選択肢を取っているのです。

 

だからこそ、お客さまの“本音”に気づく感性が、今とても大切になっています。

 

行くのを諦めている人がいることをご存知?

 

ある方の体験を紹介させてください。

 

その方の子ども時代、卒業式など特別な日に家族で訪れていた、九州の有名な中華料理店がありました。

 

地元でも人気のそのお店は、今でも変わらず営業しています。

 

長い年月が過ぎ、その方は結婚を経て茨城県で暮らすようになりました。

 

「次は自分が両親を連れて行ってあげたい」と思い、帰省の際にそのお店を訪れようとしましたが、大きな壁が立ちはだかります。

 

そのお店は階段を上がった2階にあり、足の不自由な両親には上がることができなかったのです。

 

そして数年後、お父さまが他界され、その想いは叶わぬままになってしまいました。

 

今もお母さまと「いつか行けたら」と思っているそうですが、いまだにバリアフリー対応にはなっていません

 

ちなみにそのお店の名前をお聞きしたところ、なんと偶然にも、私自身が2年前の日本一周の旅で訪れようとしたお店と同じだったのです。

 

地元の名物料理を提供する有名店ということで、訪問を楽しみにしていましたが、そのときも「バリアフリーではない」と断られてしまった経緯がありました。

 

ふと思ったのは、そのお店が本当に魅力的な場所であればあるほど、「行きたいけれど諦めた」という方が他にもたくさんいるのではないか、ということです。

 

お店の方々は、そうしたお客さまの存在に気づいているのか、それとも気づかずにいるのか、どちらでしょうか?

 

お客さまの思い出のあるお店だからバリアフリー化に意味がある

 

地元で長く親しまれているお店には、お客さま一人ひとりにとって大切な思い出があります。

 

だからこそ、バリアフリー化に踏み切ることができれば、その思い出の続きを紡げるようになります。

 

お店としての価値も、きっとより高まるでしょう。

 

「最近、常連のお客さまが来なくなったな…」と感じたことはありませんか?

 

それはひょっとしたら、お店がバリアフリーではないことが原因かもしれません。

 

その“気づき”こそが、お店の未来を変える一歩になるかもしれません。

 

バリアフリー化によって、お客さまが戻り、さらに新しいお客さまとのご縁が生まれる——そんな可能性を信じて、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

 

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