ほんの一言で変わる集客力──“こころのバリアフリー”が選ばれるお店の秘密とは?
「バリアフリーって、うちの店には関係ない…」
そう思っている方こそ、これからの超高齢化社会において大きな“気づき”を得られるかもしれません。
このシリーズでは、まだバリアフリーに取り組んでいない事業者や店舗の方々に向けて、やさしく実践できる改善ポイントをお届けしています。
1~2段の段差が、知らぬ間に“来店の壁”になる
街中にはたくさんの飲食店や小売店がありますが、入り口にわずかな段差があるだけで、車椅子ユーザーにとっては大きな障壁になります。
実際には「サポートがあれば入れるかもしれない」と思っていても、お店からの意思表示がないことで、入店をためらってしまうケースが多いのです。
「もし断られたらどうしよう…」
その不安が、せっかくのお客さまの足を遠ざけてしまいます。
逆に、「サポートいたします」の一言があれば、来店に結びつくかもしれません。
ほんの少しの工夫が、売上にも信頼にもつながる大きな一歩になる可能性があるのです。
段差があるだけで“ブラックボックス”に見えてしまう
車椅子ユーザーから見たお店は、情報がないとまるで“パンドラの箱”のように感じられます。
・店内に段差はあるのか?
・通路の幅は狭くないか?
・トイレは利用できるのか?
こうした情報が見えない状態では、安心してお店に入ることができません。
だからこそ、「サポートできます」「段差あり/スロープあり」などの情報発信が大切なのです。
たとえば静岡県島田市を拠点に活動している 「バリアフリーてけてけ隊」では、車椅子ユーザーを歓迎する店舗にステッカーを配布しています。
このような活動が全国へ広がり、大阪・神奈川などでも協力店舗が増加しています。
ステッカー1枚で、「ここは安心して入れる」と思ってもらえる効果は絶大です。
ホームページやSNSでこころのバリアフリー対応を発信すれば、さらに認知と信頼が高まります。
「行けるお店しか行かない」──その現実に向き合う
超高齢化社会となった今、車椅子や歩行困難な方々はますます増えています。
しかし、「行けるお店しか行かない」という現実は変わりません。
そして、それはこれから先も続いていく可能性が高いのです。
今まで毎週のように通っていた常連さんが、年齢とともに足が遠のいてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、今のうちに“選ばれるお店”に進化することが、将来的な差別化につながります。
「ちょっと声をかけるだけで、こんなに嬉しい」
そんな経験を増やすことが、お店の価値を大きく変えるかもしれません。
あなたのお店の“こころのバリアフリー”が、誰かの安心につながります。
一歩踏み出すことで、これまで届かなかったお客さまの笑顔に出会えるかもしれません。
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