車椅子利用者でも焼香できる葬儀のドライブスルーサービスが開始
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。以前ご紹介した葬儀のドライブスルーのサービスが始まったというニュースが流れてきました。ついにあの葬儀までがドライブスルーになる時代になりました。人によっては不謹慎という意見もあるのかもしれませんが、それは立場の違いによって感じるものではないでしょうか?大事なのは、相手の立場に立って考えてみることです。
車上焼香システムの開発は車椅子利用者の思いから生まれた
この取り組みは、「車上焼香システム」と呼ばれるもので、長野県上田市にあるコンサルティング会社が開発し、葬儀場を運営している会社が始めた事業です。なぜ始めたのかという点では、「障害者の方が車椅子で来て、介助が必要だったりすると、焼香に30分くらいかかってしまう。何とか車にのったまま焼香できないか」という思いから始めたものでした。
※以前ご紹介したコラム→こちら
一般的にどこにでも行ける健常者の人にとっては、両親・親戚・友人・会社の同僚などお亡くなりになった時にお通夜・告別式に参列することはできるはずです。せいぜい仕事上で駆けつけることができないくらいではないでしょうか?でも高齢であったり、障害者にとっては駆けつけることのできない理由は、他にあるでしょう。
会場に段差があったり、トイレがなかったり、長時間参列することができなかったり、場合によってはストレッチャーでしか移動できなかったり、理由は様々ではないでしょうか?でも亡くなった方に感謝の気持ちを伝えたいとかあっても、この物理的なバリアによって諦めなければならないことがあります。
バリアフリー法の対象施設以外はなかなか進まない現状
私は24歳まで健常者の立場でした。そして24歳の時に交通事故に遭い、車椅子生活を過ごしています。そのため両方の立場が分かります。今まで気軽に行くことのできたり、楽しんだりしたことが出来なくなることで、諦めることが多くなる人生を送りました。一見、何気ないこともでも車椅子ユーザーにとっては出来ないものです。
少しずつ世の中はバリアフリー化になっておりますが、残念ながら公共性の高いところのバリアフリーは進んだものの、それ以外においては、まだまだ少ないのが現状です。それはバリアフリー法における義務による施設が中心であり、法で定められたところは守らざるを得ないものの、そうでなければ義務はないために、バリアフリー化にするのはコストだけがかかって儲からないという考えが先にきてしまいます。
しかし高齢化社会になったことによって、人口の3分の1に近くは65歳以上の高齢者です。これからますます高齢化は進んでいく中で、車椅子生活をする人が増えていくのは間違いありません。今こそバリアフリー化への転換期ではないでしょうか?しかもほとんどの業者がやらないことによる差別化が図れることで、今回の葬儀のドライブスルーのように目立つ存在になるでしょう。
まさにこころのバリアフリーによって誕生したもの
今回のようなケースは、バリアフリーにする中でも「こころのバリアフリー」に力を入れたものではないでしょうか?決して段差をなくしたり、トイレをつくったり、スロープをつくることだけがバリアフリーではありません。様々な人がいる世の中で、相手の立場に立って考えることによることが、まさにバリアリーの一環のように思えます。
こういったものは、まず関心をもつことから始まると思っております。普通に過ごしていると知らず知らずのうちに大多数の中の文化に巻き込まれていきます。しかしいろいろと情報を収集していくと、少数の方々の意見から何かお困り事が出てきて、半ば諦めているようなものがあるはずです。そこで相手の立場に立って考えてみると、誰にもやったことがないようなアイディアが生まれるのでしょう。今回の取り組みをきっかけに、いろいろな業界でバリアフリー化が進むことを願っております。
※SB信越放送による報道内容(動画あり)→こちら
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