東横インの事例がバリアフリーの選ばれるポイント
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。お店をバリアフリーにしてみたいと思う反面、どうしてもコストもかかるし、スペースも用意しなければならないので、大変ではないかと思うかもしれません。でもバリアフリーにすることで、人気のあるお店に変わるとなったらどうでしょうか? あなたのお店だけが地域の中でバリアフリー化されているから選ばれるとなったらどうでしょうか?
車椅子利用者からは「バリアフリーの宿なら東横イン」
もう10年位前の話題ですが、ホテルやマンションの耐震偽装問題が発生しました。その中で大きく取り上げられたのが「東横イン」の問題です。バリアフリールームを造っても誰も使わないので、物置部屋にしたり、設計図とは違う形で駐車場に変えてしまったという内容でした。当時の社長は「40キロの道路を60キロで走ってしまったようなもの」と軽々しく発言してしまったことで、マスコミから叩かれてしまい、謝罪する形になってしまいました。
その東横インの現在はどうなのでしょうか?驚くかもしれませんが、車椅子利用者にとって人気のあるホテルに生まれ変わっていました。その日本1周旅行の時も「東横イン」をほとんど利用しました。東横イン全体においてもバリアフリールーム(ハートフルルーム)が大半の施設で設置されています。そして車椅子利用者のための身障者用駐車スペースの確保など利用者にはありがたい施設となっております。
私の日本1周も、東横インがなければ実現しなかったと思えるくらいです。なぜならあの耐震偽装事件以降において、宿泊施設のバリアフリー化はかなり遅れている中で、今では「バリアフリーのホテルなら東横イン」という位置づけになりました。私以外の車椅子利用者に聞いても、「バリアフリーの宿と言ったら?」といえば、ほとんどの人が真っ先に「東横イン」と答えるのですから、かなり人気のあることが分かります。
バリアフリーのPRは何がバリアフリーなのかを伝える
東横インの事例は、マイナスをプラスに変えた素晴らしい事例です。この事例を通して、お客さまが感じているバリアを解消し、「情報の見える化」にしたことが選ばれているポイントです。東横インには車椅子から湯船に入る前に乗り移る台、シャワーチェアー、滑り止めマットなどが用意されています。これらはホームページで画像による掲載をしており、明らかに他の宿泊施設では見られないような安心感を与えています。
つまりどこのお店であっても、必要な備品は決まっており、画像どおりのものがあるからです。車椅子利用者は単に歩けないから車椅子に乗っているわけではありません。人によって病状もケガの状態も全く違うので、人によって必要な備品も変わってきます。そこで画像を見ることができるので、当事者にとっては何が必要か自分が選択できるのが安心感につながります。だから利用したくなると思っています。
バリアフリーにするにはもちろん改修工事なども必要かもしれませんが、大事なことはその後の営業方法です。さりげなくうちはバリアフリーですとやっていても、誰にも気づかれないままになるでしょう。きちんと情報の見える化を通して、バリアフリーであることを徹底的にPRしてみてはいかがでしょうか? 車椅子利用のお客さまはバリアフリーであるお店を探しているので、いかにお客さまとお店の想いをマッチングさせるかによって、人気のあるお店に変わるのではないでしょうか?
ちなみに、私が4月1日に東洋経済オンラインで取り上げられた記事をご参考までに読んでいただければ、バリアフリーにおける価値がより分かるのではないかと思います。
『東横イン「12年前の失態」から遂げた大変身 ~車いす利用者が格段に使いやすいホテルに~』 →こちら
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