「バリアフリー全国調査の旅へ──車椅子生活から見つけた“生きがい”と希望」
Contents
交通事故で車椅子生活になった筆者が、日本全国を巡りながらバリアフリースポットを調査・発信した感動の実話。
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
今回はいつもと趣を変え、私自身のストーリーをお届けします。
私が車椅子生活となり、その後バリアフリー調査を始めるに至った経緯。
そして2016年に挑戦した日本一周の旅について綴っていきます。
★日本一周の詳細はこちら → https://baria-free.jp/japan
一生車椅子生活と向き合う中で見つけた希望
私は交通事故によって突然、車椅子生活を余儀なくされました。
「もう人生は終わった」と絶望し、何度も涙を流しました。
しかし、両親の励ましが私を支えてくれました。
「今は歩けなくても、未来は誰にもわからない。だから今できることを全力でやろう。治療に備えて身体も整え、希望を持ち続けよう。」
この言葉を胸に、私は前を向く決意をしました。
バリアフリー情報のなさが外出の壁に
1996年当時、車椅子ユーザーにとって外出のための情報は限られていました。
必要なのは、多目的トイレや段差、駐車スペースの情報。
しかし、入手できるのは活字だけの書籍ばかり。写真もなく、実用的とは言えませんでした。
そんな中、初めての宿泊旅行で大きなトラブルが。
広いだけでバリアフリーとは言えないホテルに泊まってしまい、利用できないバス・トイレに困り果てました。
「これではダメだ」と思い、全国のバリアフリースポットを自分の目で確かめ、情報を発信する決意をしました。
ブログから始まった情報発信
2005年、まだ“ブログ”という言葉が一般的ではなかった頃、私は自分なりの言葉でレポートを発信し始めました。
最初は文章も写真も不慣れ。でも読者からの「ありがとう」の声が、何よりの原動力となりました。
気がつけば12年間で訪れたスポットは1000箇所以上。少しでも誰かの役に立てるよう、日々情報発信を続けてきました。
「全国の情報が知りたい」に応えるために
関東在住の私は、訪れるスポットも関東が中心でした。
しかし、「全国のおすすめスポットは?」と聞かれても答えられないことに、悔しさを感じるようになりました。
2016年、思い切って会社を退職し、バリアフリー活動を本格的に仕事へと転換することを決意。
そして残っていた31日の有給休暇を活用し、かねてからの夢であった「日本一周バリアフリー調査の旅」に出ることにしました。
東日本編・西日本編に分けて挑んだ27日間
日本一周は、東日本編(9日間)と西日本編(18日間)に分けて実行しました。
- 東日本編:茨城→宮城→北海道→青森→秋田→新潟→北陸を経て帰宅(11月14日~22日)
- 西日本編:徳島→四国→九州→中国地方→関西→中部→静岡→茨城(11月28日~12月15日)
詳しい日程や訪問先は冒頭のリンクからご覧ください。
旅の途中、思わぬトラブルや体調不良もありましたが、それ以上にたくさんの出会いや学びがありました。
バリアフリー調査の旅がくれたかけがえのない経験
全国各地で再会した旧知の方々、新たな出会い、美味しい郷土料理──すべてが人生の宝物です。
私にとって、この旅は単なる「移動」ではなく、「生きがい」を見つける旅でもありました。
そして今でも、あの旅が私の活動の原点になっています。
これからも、バリアフリーの魅力と課題を、リアルな言葉で発信し続けていきます。
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