車椅子利用ができるバリアフリー基準があればいいのに・・・
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。最近では、いろいろなツールでバリアフリー情報が見れるようになってきました。例えば、多目的トイレマップやぐるなびなどでも情報が分かるので大変助かっております。
バリアフリーの基準がないために現地に行くと完全なバリアの場合がある
但し、気になるのがそのバリアフリー基準です。先日利用した居酒屋での出来事です。地下鉄の駅前にあり、私は久々に地下鉄で現地へ向かいました。あるサイトを確認したところ、その居酒屋は「車椅子利用可」「バリアフリー」と記載されていました。
居酒屋は2階にあるのに、どこをみてもエレベーターや昇降機がないんです。友人が到着してお店に確認したところ、奥にエレベーターがありました。ホッとしたのもつかの間、エレベーターまで行くのに6段くらいあったのです。
都内によくある、地上から数段上らないとエレベーターにたどり着けないパターンです。10段以上上ってからエレベーターという建物もありました。こうなると「本当にバリアフリー?」って思ってしまいます。
こころのバリアフリーは大事だが、まずはパッとみてわかるバリアフリー
ところが今回居酒屋から登場したのが、筋肉ムキムキの兄ちゃんと体格のいい兄ちゃんの2人。私を車椅子ごと軽々と持ち上げてしまいました。ムキムキの兄ちゃんは居酒屋で働いていても3時間おきにプロテインを飲んでいるそうです。
ああ・・・これが「車椅子利用可」「バリアフリー」なのかなって思ってしまいましたが、必ず出勤しているとは限らないので、これでは「車椅子利用可」「バリアフリー」とは言えない部分があります。
先日はある大学院の社会人ゼミにお招きいただき、障害者と健常者の共生社会にするためのテーマで生徒の皆さんといろいろとディスカッションしました。その中で、「バリアフリーの基準ってどうなっているのか?」という話題になりました。
実際には国際シンボルマーク以外で車椅子利用者の基準マークはない
現在存在しているのは「障害者のための国際シンボルマーク(車椅子のマーク)」くらいしかありません。参加者からは、あえて「車椅子でも利用できますよ」というマークがあればいいのに・・・という声が出ました。
課題になるのは、障害のレベルをどうするか?例えば、私であれば脊髄損傷の胸椎5番レベルなので、腹筋・背筋は効かなくても腕を動かしたり、握ったりするのは全く問題ありません。でも頸椎損傷の人にとっては握ったりするのは難しくなります。
そうなると認定マークを用意しても、いざ行ってみたら使えないといったトラブルを招く可能性があるということです。でもある程度基準がないと今回のネットのように「車椅子利用可」「バリアフリー可」となっていても、明らかにバリアになっているケースすら存在してしまうんです。
ある程度障害のレベルに合わせた基準により情報の見える化が必要
今後はこういった課題に対して、障害レベルに合わせて色分けしたマークを要するとか工夫を凝らして、基準を作っていく必要があると思います。もちろん大事なのは、今回のような「こころのバリアフリー」です。でもハード面においてある程度の基準を出していくことこそが、情報の見える化につながると思っております。
関連する投稿
- 車椅子ユーザーにとって生活に関わる情報の重要性とは?
- 車椅子を漕ぐ際に気をつけなければならないポイント
- 車椅子利用者でもできる簡単なスポーツについて
- 車椅子利用者にとって胃のバリウム検査ができない辛さ
- 車椅子で利用できるバリアフリー調査を始めたきっかけ
現在の記事: 車椅子利用ができるバリアフリー基準があればいいのに・・・