普段見えない世界から見える世界に変わるのがバリアフリー
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
高齢者が約3500万人いても
ほとんどの方が元気ではありますが、
あと2・3年経つと大きく状況が
変わってくる世の中です。
それは団塊世代が健康寿命に到達するのが
あと2・3年だからです。
健康寿命は男性で72歳前後、
女性で74歳前後と言われています。
そうなると現在元気な方々も
もしかすると車椅子生活になる可能性も
出てきます。
間違いなく言えることは、
現在の車椅子生活者よりも
もっと多くなることです。
そのときに自分をとりまく環境は
どう変わっていくのかを
考えていく時期になっていくでしょう。
日常生活の上でも
ビジネスの上でも
バリアフリーがキーワードになるでしょう。
自分事として捉えてみる
何を言いたいかと申しますと、
普通に過ごしていたら
なぜバリアフリーにしたほうがいいのかが
実感が湧かないことだからです。
でも明日は、
我が身に何が起こるか分からないからです。
こんな私も以前は健常者でした。
忘れもしない1996年9月1日です。
その1週間前には、学生時代の仲間と一緒に
埼玉県の嵐山渓谷でバーベキューなどを
楽しんだ思い出があります。
でも9月1日に思いもしない交通事故に
遭ってしまいました。
それ以来、車椅子生活になりました。
20数年車椅子生活をしてきましたが、
健常者のときには
私もバリアフリーについて
全く考えたことはありませんでした。
多分この記事を読んでくださっている方も、
現在が健常者であれば、
ご家族・知人など身近な環境に
車椅子生活をしている人がいなければ、
バリアフリーについては考えないでしょう。
むしろ気にもしないのかもしれません。
でも先ほど申した通り、
急に悲劇が訪れることはあります。
自分が乗ったタクシーが事故を起こして、
車椅子生活になることもあります。
いきなり病気にかかって運ばれたら、
何とか命はとりとめたものの、
下半身の麻痺が残ってしまい、
車椅子生活になることもあります。
「そういったことはまれでしょう?」
と思うかもしれませんが、
私でもそういった事例は多く聞いていますし、
友人にも急に病気・ケガが
発症してしまうことが起きています。
そのため気がついてみたら
自分が車椅子利用者に
なってしまうケースはあるんです。
意外と稀なことではありません。
車椅子利用者を見かける機会に気づいていますか?
しかも高齢になって
車椅子生活になっている人が、
著しく増えている社会にも
なりつつあります。
そういった状況の中では、
バリアフリーになっている社会のほうが
生活しやすいわけです。
今まで述べたのは、
自分がその立場になったときの視点ですが、
逆の立場で考えてみてはどうでしょう。
この10年でものすごく車椅子利用者が、
電車やバスなどの公共交通機関に
乗っている人が多くなっていると
思いませんか?
もしあまり見かけないといった方は、
世間に対しての視野が
狭くなっていることが考えられます。
意外と自分事しか
とらえられないくらいに
なっているかもしれません。
でも実際には
ものすごく増えている状況です。
その車椅子利用者は
「この人たちってどこに行くの?」
と突き詰めていくと、
バリアフリーのところしか
行かないわけです。
むしろ行かないと表現したほうが
いいのかもしれません。
一般の人のように
何段もある雑居ビルに
入っていくことはありません。
でも残念なことに都内を見ても、
段差のないバリアフリー化された
建物は意外に多くないのが現実です。
エレベーターがあるビルであっても、
階段を数段上った後に、
エレベーターが
設置されていたら、
いくらエレベーターがあっても
バリアフリーではありません。
こうなると車椅子利用者には
もうお手上げ状態になってしまいます。
言い方を変えれば、
たた数段の段差があるだけで
そこがバリアになってしまい、
訪れることすら難しくなってしまいます。
もしバリアフリーになったらどう変わる
そんな状態が改善されて
「もしバリアフリーだったら
どうなりますか?」
行くところが限られている人にとっては、
おいしい話になるんです。
50軒、100軒探しても
バリアフリーの場所が見つからない
世の中でもあります。
そこで唯一あなたのお店の1軒だけが
バリアフリーになったらどうでしょう。
見方が一気に変わり、
増加しつづけている車椅子利用者にとって
朗報になるわけです。
だからいろいろな視点で
物事を見ることができることで、
ビジネスチャンスにもつながるんです。
しかも社会貢献にもつながるのですから、
まさにいいこと尽くしです。
これは当たり前の話を述べていると
思われるかもしれませんが、
10人いても、100人いても
あまり気がついていないことでも
あります。
それは普段の生活の中で
目の当たりにしていないことは
気が付かないのが当たり前です。
でも車椅子利用者の視点から考えてみると
見える世界が大きく違うことが
実感できたにちがいありません。
そしてバリアフリーに興味をもつことで、
今までとは違った
ビジネスを展開することも
可能になっていくでしょう。
だからこそノウハウが分かっていくと
もっと価値を高めることができます。
そういったことに
気がつけるかどうかによって、
チャンスが訪れるかどうかも
大きく変わっていくでしょう。
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