障害者・高齢者におけるお買物に行きにくい環境について
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。高齢化社会が迫っている中で、買い物難民における課題が大きくなっております。車椅子ユーザーにとっても今後の生活に大きく関わってくる問題でもあります。
私が勤めていた総合スーパーにおいても、この件についてはいろいろと課題がありました。近くの地域において、当店とは全く関係のないスーパーが閉店した際、高齢者はどこに買い物へ行ったらいいのかという首都圏の買い物難民問題がテレビ番組のコーナーで取り上げられました。
首都圏においても買い物難民になっている現実
その地域は、テレビでよく紹介されるような田舎ではなく、首都圏のベッドタウンであり、バブル期に盛り上がった一戸建てのニュータウンです。しかし今では高齢化が進み、そのニュータウンにあった唯一の店舗が閉店したため、買い物難民になっているとの報道でした。
よく取り上げられる田舎のように車で30分乗らないとお店がないような地域ではありません。でも高齢者にとっては、1キロ先にある食品スーパーには行けないから、急きょ、当店から送迎バスを出してくださいと地元の市議会議員さんを通して、私の店舗へ申し入れがありました。ちなみに当店までの距離は2キロでした。
店舗にとっては、どれだけの集客につながるか未知数なのと、送迎バスを出すコスト(月間百万円程度)を考えると送迎バスの導入は難しいと判断しました。さらに店舗の赤字も膨らんでいたので、OKが出せませんでした。
買い物難民だから路線バスがあればいいは本音なのか?
結局、市議会議員さんは市の議会を通して、その地域と当店・市内の競合他社の店舗と駅を結ぶ路線バスを1日4本動かすことに成功しましたが、実際には誰も利用しないバスになってしまいました。
買い物難民であると言っていたにも関わらず、実際に路線バスを設置しても誰も利用しない実態は、一体何なんだろうと考えました。テレビでも紹介されたのに、高齢者はどうしているのかとても疑問が残りました。
実際のところ、住民の想いをきちんと聞かないとわからないことがあります。「あればいいよね・・・」は意外と利用しない現実。そこをきちんと調査をした上で、地域における必要性を見抜かないといざ路線バスを走らせたら利用客がいないということになりかねないことを私は体験しました。
今回は小売店が閉店するに伴い、お買い物ができなくなる課題でしたが、路線バスの収益の問題により廃止路線となり、買い物難民になる課題もあちこちで増えています。私の大好きな番組の「路線バス乗り継ぎの旅」を観るだけでも、日本中のバス路線がどんどん廃止されている現状がよくわかります。
路線バスに変わる新たな手段・サービスが必要になる時代
高齢化社会における車椅子利用者や私たちのような車椅子ユーザーが、どんどん移動しにくい現実が迫ってきていると思うと、とても不安になりますね。今は車を運転してどこにでも行ける状態ですが、もし車の運転をする体力がなくなったらどうなるのだろうかと気になっております。
何とか欲しいものを気軽にお買い物ができる環境が必要になってきます。最近では移動スーパーの「とくし丸」、ネットスーパー、Amazonも生鮮食品を販売する時代になってきております。路線バスやお店がなくなっても新たな手段・サービスなどが誕生していくことを願っております。
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