車椅子ユーザーが車を運転する場合において「自分の車椅子はどこに置くの?」という疑問にお答えします。

2017.10.10 (火)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。「車椅子ユーザーが車に乗り込む時の車椅子ってどこに置くの?」という質問をうけることがあります。実際には乗っている車椅子の形や介助する人が有無などによっても変わってきますし、最近では車椅子を自動収納できる装置も出てきております。そこで今回は車椅子の収納についてご紹介したいと思います。

車椅子ユーザーが単独で車に乗る場合は?

車椅子ユーザーが1人で車に乗る場合です。運転席のドアを開けて車椅子を横付けします。横付け後に車椅子から車の運転席に乗り移ります。この行為を私たちの中では「トランスファー」と言います。トランスファー後は車椅子の形によって変わってきます。

 

折り畳みの車椅子の場合は、クッションを助手席に置きます。次に右腕で車椅子を持ち上げて、ハンドルと身体の間を通して後部座席(左)へ置きます。イメージ的にはプロレス技のバックドロップのような感じです。車椅子の重量は平均的に15キロ近くありますので、右腕で持ち上げるのは力が要ります。またこの体勢は身体に悪く、肘に負荷がかかってしまいます。そのため私は長年テニス肘という病気に悩まされてきました。

 

最近多くなってきている固定式(折り畳まない)の車椅子の場合は、先ほどと同様にクッションを助手席に置きます。次に両サイドの車輪を外します。これは簡単に外すことができます。車輪を助手席もしくは後部座席に置き、残りのボディとなる部分を助手席又は後部座席に置きます。折り畳みに比べると手間がかかりますが、車輪を先に外すことにより、折り畳みよりも重量が少なくなるため、肘への負担が軽くなると思います。しかも固定式の車椅子が折り畳まない分だけ車椅子としての剛性もしっかりしております。

最近は自動で車椅子を収納する装置も誕生している

上記以外に自動で車椅子を収納できる装置も誕生しております。トランスファーをして、クッションを助手席に置くところまでは同じです。ミクニオート&ライフ社・トヨタ社・フジオート社の天井へ収納する機器については、車椅子を折り畳んで真ん中にある紐をリフトの棒に引っ掛けることで、車椅子ごとを持ち上げて天井に自動収納します。操作は専用リモコンで行います。

 

これはとにかく便利です。私はテニス肘に悩まされてきて、今後も腕を使うことでよくならないと医師から言われていたこともあり、思い切って新車を購入した時にミクニオート&ライフ社のオートボックスを取り付けました。写真に載っている機器です。

 

その他ではトヨタ社などにある機器が、天井に収納するのではなく運転席の後ろに自動収納する方式も出ております。エルグランドなどでも導入されております。しかし、後部座席に人を乗せる場合にはすでにその空間は埋まっているため、通常の車の1席もしくは2席分が減る状態になります。

 

また人によっては車椅子ごと運転席に入るタイプもあります。以前の番組で乙武さんが運転されている様子を映していたのは、車の後ろからスロープで乗り込んでそのまま運転席にセットする形でした。但し、日本の車ではなかなか難しいこともあり、アメ車のような大型のミニバンを改造することになるかもしれません。

 

今までは車椅子ユーザーが1人で車に乗る場合ですが、介助する人がいる場合はそのままトランクへ入れることになると思います。折り畳みの車椅子はそのまま入れて、固定式の車椅子はタイヤを外して入れます。タクシーに乗車するときなどもトランクへ入れてもらいます。

車椅子が軽量化されることで車椅子を持ち上げやすくなる

人によっては多少違う部分もありますが、大方このやり方だと思います。そのためには車椅子を少しでも軽量化にすることで、腕への負担も軽減されると思います。例えば車椅子のホイールをカーボンにすることで1キロくらい軽減できるものです。但し、残念ながら軽減=費用がかかるのが車椅子の特徴となっております。

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