何とかしてあげたいと思った時に行う車椅子利用者へのアプローチの注意点
Contents
バリア解消請負人の白倉栄一です。私はバリアフリーの導入を進めている仕事をしておりますが、バリアフリーは設備の導入だけが大事なことではなく、お客さまへの接客応対なども大事なポイントになります。
そこで今回は、バリアフリー対応における最低限知っておきたい人へのアプローチのポイントをお伝えします。
同じ目線で話をすることができるかどうか
皆さん、どうでしょうか。車椅子利用をしている方々や一緒に来店した家族・友人が、従業員から粗末な対応をされたら、せっかくバリアフリーが整っていてももう行きたいとは思わないでしょう。
そういった部分を考えると設備だけに注視してしまうと、お客さま商売の本質を忘れてしまうケースがあります。しかもそれがクレームになってしまうと、余計に店舗の評判を落としてしまいかねません。
そこで今回お伝えすることは、相手の気持ちを考えることです。そして、思い込みをなくすということです。
どういうことなのかと言いますと、車椅子利用者を見かけた途端に「困っている人」「かわいそうな人」というような見方をしてしまうケースです。
一見優しいような感じにも捉えてしまいますが、実は同じ目線になっていない場合があります。
よく世間で言う「上から目線」です。
こんなことはありませんか。
車椅子に乗っている人を見たら、何も言わず押してあげようとするケース。
ここでのポイントは「何も言わず」という点です。正義感たっぷりの人によく見られるタイプの方がよくやってしまう間違いです。
中には、相手から「自分で漕ぎますから大丈夫ですよ」と返答されても、「いいんです。私が漕ぎますから・・・」と相手の気持ちを無視してしまう人もいます。
しかもやってあげて良かったと勘違いしてしまう人もいるくらいです。
もしあなたならどうでしょう。全く見ず知らずの人に急に背中から押されたらドキッとするに違いありません。
状況によっては、気分が落ち込んでいる時に、誰からも声をかけて欲しくない時もあれば、自分のことは人に手伝ってもらわなくても、自分でやりたいと思う時もあるでしょう。
つまりそういったことを考えることができるかどうかがポイントです。
先日もある行政の方に、何も言わずに急に後ろから車椅子を押されてドキッとしたことがありました。
「私は大丈夫ですよ」と伝えたら、すぐに分かってくれましたが、普段から車椅子利用者と接する機会のある方でも、なかなか相手の気持ちを確認してから対応することは知らないのかもしれません。
意外と病院などで働いているベテランの方ほど、車椅子利用者は困っているから、私がサポートしようと思い込んでしまう場合がよく見られます。
もちろん患者さんの多くが、車椅子を押してもらった方がうれしい方が多いのかもしれませんが、世間で車椅子を利用している人すべてがそうとは限らないということです。
今まで持っていた見方・考え方を変えてみることから始める
今回お伝えしたいポイントは、まず見方を変えてみることです。
どんな人でも自分の気持ちがあるので、「何かお手伝いしましょうか?」とか「車椅子を押した方がいいでしょうか?」とかまず車椅子利用者に確認して、必要なのかどうかの確認をすることが大切なポイントです。
もしご本人が「大丈夫です。自分でやりますから・・・」といえば、そのままでいいんです。
気になるのであれば、遠目から見守っていればいいのではないかと思います。
場合によっては、「うるせえな!」と言ってくる人もいるでしょう。
見ず知らずの人から声をかけられたら嫌な人もいます。
それでもそういう人もいるんだと冷静になればいいわけです。
落ち込むこともなければ、カッとなる必要もありません。
自分で決めつけないで対応することが秘訣
人には価値観の違いがあります。あまり張り切りすぎないことです。
相手の立場を分かるためには上から目線にならず、「こうだからこう!」と決めつけないで行くことが大切です。自分の気持ちと相手の気持ちが一致しないケースがあることを理解した方がいいでしょう。
優しく対応したい人の気持ちは素敵なことですが、過剰になりすぎると人は必ずしも受け入れてくれるとは限らないことを知っておくと、相手へのアプローチがうまくいくでしょう。
関連する投稿
- いきなり「責任者出せ!」のクレームによる電話の対応とは?
- 車椅子利用者にも意識をしないで対応できるバリアフリー
- 従業員の皆さまにクレーム対応のノウハウは伝わっていますか?
- 企業における電話のお客さまクレームをうまく対応するコツ
- 心のバリアフリーはお客さまの気持ちをいかに考えることができること
現在の記事: 何とかしてあげたいと思った時に行う車椅子利用者へのアプローチの注意点