「お互い様」の力でバリアフリー|設備だけに頼らない柔軟な発想とは?

2025.07.04 (金)

バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

バリアフリー化を進めたいと思っても、コスト面やスペース面でどうしても難しいと感じること、ありませんか?

 

「設備を一新しないといけない」「対応できないなら諦めるしかない」 そんな思考にとらわれると、かえって“バリア”が大きくなってしまうものです。

 

でも、もっと柔軟に考えてみてはいかがでしょうか。

 

実は、設備を完璧に整えなくても、“人の力”で乗り越えられることはたくさんあります。

 

時にはお客さまのご協力をお願いすることも、立派なバリアフリーの一歩です。

 

そして、その「協力」に応じてくれる人は、意外と多いのです。

 

設備に頼らず、マンパワーで対応できる柔軟さ

 

 

たとえば、路線バスの乗車時。日本では運転手が車椅子の乗降を補助するのが当たり前ですが、海外では周囲の乗客が自然にサポートする光景がよく見られます。

 

「お互い様」の精神が根づいているからこそ、誰もが自然に手を差し伸べるのです。

 

お店でも同じように、設備が足りない時には「協力をお願いする」という手段もあります。

 

たとえば、車椅子で使えるテーブルが一つだけあって、他のお客さまが利用中だったとします。

 

そのとき、「事情を伝えて、席を変わっていただけないか」とお願いしてみるのも選択肢のひとつです。

 

多くの方は理解を示してくださるものですし、もし移動に応じてくださったら、飲み物1杯のサービスなどで感謝を伝えるのも素敵な対応です。

 

「協力したい」と思っている人は、意外と多い

 

 

人は困っている人を見ても、ひとりでは声をかけづらいものです。

 

でも「みんなで助けよう」となると、協力してくれる人が自然と集まってくるものです。

 

そこには損得勘定などなく、ただ「困っている人を助けたい」という気持ちだけ。

 

私自身も、障害のある立場であっても、誰かが困っていれば助けたいと思いますし、それこそが“お互い様”という考え方ではないでしょうか。

 

だからこそ、バリアフリー化が難しいと感じるときは、人の力に頼るという選択肢も取り入れてみてほしいのです。

 

すべてを設備で解決しようとするのではなく、柔軟な発想で、“できるところから少しずつ”進めていくことが大切です。

 

そのマインドこそが、利用者の安心や満足につながっていきます。

 

従業員の皆さんと一緒に、心のバリアフリーから始めていきましょう。

 

今回は「マンパワーで乗り越える柔軟なバリアフリー対応」についてお届けしました。

 

ほんの少しの工夫や声かけが、誰かにとっての“助け”になることがあります。

 

完璧でなくても、心ある対応は必ず伝わります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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