知らなかったでは済まされない時代に。安心して来てもらうためのバリアフリーノウハウ
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バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
私は車椅子を利用する立場として、時折こんな経験をします。
「車椅子で行きたいのですが…」と事前に電話などで確認をして、「大丈夫ですよ!」と言われた場所へ、実際に足を運んでみると……残念ながら対応していなかった、ということが少なくありません。
せっかく訪れたのに期待と違った。
そのような体験は、時にはクレームにつながることもあるでしょう。
これからますます車椅子利用者が増える社会において、「最低限のバリアフリーノウハウ」を身につけておくことは、お店や施設にとって重要なポイントになります。
事前確認の情報と、現地の実態が違うことがよくある
ある時、友人とプロのゴルフ観戦に出かける機会がありました。
友人は事前に大会事務局へ連絡を取り、私のために特別な駐車スペースを確保してくれました。
ところが、「多目的トイレはあります」と聞いていたにもかかわらず、現地の係員に尋ねると「設置されていない」とのこと。
一般トイレも狭く、観戦を断念して帰ることになりました。
事務局側は「車椅子でも一般トイレが使える」と思い込んでいたのかもしれませんが、これは知識不足と言わざるを得ません。
多くの来場者を迎えるイベントでは、こうした最低限の理解と準備が欠かせません。
実際に、これまでも「障害者用駐車場がある」と案内された場所に行ってみたら存在しなかった、あるいは「車椅子でも移動できます」と言われたルートが急勾配の坂だった、というケースもありました。
これからの時代に求められるのは「知らないでは済まされない対応」
「バリアフリーなんて専門的なことだから、知らなくても仕方ない」という声もあります。
確かに、学校で学ぶ機会はあまりありません。
しかし、超高齢化社会が進む今後、車椅子利用者や障害のある方への対応が当たり前になる時代がやってきます。
「知らなかった」では済まされない場面も増えてくるでしょう。
だからこそ、最低限の質問に正しく答えられる体制づくりが求められます。
「段差がなければ大丈夫」という曖昧な対応ではなく、実際の環境をきちんと把握し、対応するための知識と意識が必要です。
私も定期的に開催しているバリアフリーのセミナーなどを活用すれば、現場で役立つ知識を身につけることができます。
そうした知識があることで、お客様が安心して訪れることができる場を提供でき、「また来たい!」と思ってもらえる店舗・施設へとつながっていきます。
ぜひ、今のうちからバリアフリー対応について学んでみてください。
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