こころのバリアフリー対応は知識を学ぶよりももっと大切なポイント
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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
高齢者・障害者など多くの方々が車椅子利用をしている世の中に変わってきています。
そうなると車椅子利用のお客さまであっても、スムーズな対応が小売店・飲食店などの商業施設では欠かせないスキルになります。
しかし今まで経験がないことで、「自分は普通にできる」と思っていても、実は意外と実践に移せないことがあります。
今回はそういった点を踏まえてお伝えします。
登壇者の言葉に頷いても実践に移せない人々
以前あるイベントで、障害者スポーツをしているパラリンピアンの講演を聴く機会がありました。
そこで登壇者の方がおっしゃっていたのは、障害の有無に関わらず、お互いが気軽にコミュニケーションができる社会になってほしいと話していました。
観客の方々は、登壇者の話にうなづいていたものの、実際に実践できるのかどうか気になる出来事がありました。
観客の座っている位置が多少バラバラになっていました。
私は一番後ろの列ではないものの、後ろから2列目にいて話を聴いていました。
講演者の方が持参してきたメダルを多くの方々に触ってもらうために、前列の観客から順にバトンリレーのように渡していくことになりました。
当然、先ほどの話のように、「障害の有無に関わらず…」に頷いている方々なので、私のところにもメダルがまわってくるのだろうか気になっていました。
先ほどの話の通りに実践に結び付けることができるのだろうか。
しかし実際には、私のところをスルーして、次の列に行ってしまいました。
講演の中で「コミュニケーションができる社会に…」という話をされているにも関わらず、その場でさえ実践できない理由があるにちがいありません。
車椅子に乗っていることで通過してしまうのか。
健常者の時代も知っている立場なので、私なりに考えてみました。
実践できない理由があるから実行に移せない
まず車椅子利用者へ気軽に話しかけられない点です。
どうしても腫れ物に触るように感じてしまうケースがあります。
頭の中では彼の説明を受けているので、障害の有無に関わらず気軽に接しなければならないと思っていても、いざ実践となると経験の浅さからできなくなってしまうのでしょう。
次に車椅子利用者はあえてまわす必要ではないだろうと思ってしまう点です。
残念ながら同じ立場の人として捉えることができないケースです。
よくあるケースでは障害があることで、自分よりも劣っている存在であると勝手に判断してしまうことも聞きます。
その他には、自分の視界に入らない点です。
私より前の方は座っていましたが、後ろの方は立っていました。
後ろの方からすると、私の存在に気づかなかったのかもしれません。
私的にはこの3つの理由を考えましたが、なかなかコミュニケーションをとりにくいことは現実なのかと実感できました。
超高齢化社会に伴う接客応対は大きな課題
今後は店舗におけるバリアフリーを考える上で、高齢のお客さまをはじめいろいろな人が車椅子を利用されるでしょう。
来店されたときに、どのように接客応対できるかが重要なテーマになっていくにちがいありません。
その際に上記にあげたような理由から対応できないと、車椅子を利用されるお客さまの満足を提供することはできなくなってしまいます。
まずは自分自身の既成概念を取り除くことからはじめる必要があります。
どうしてもイメージであったり、偏見があったりするでしょう。
でもそれがある限り、次への一歩が踏み出せません。そのためある程度、社内での実践教育が必要になるでしょう。
車椅子に試乗する疑似体験であったり、車椅子利用者とのミーティングの場などこころのバリアフリー教育をやってみることをおすすめします。
そして既成概念を取り除くことができるでしょう。それが今後に必要なスキルとなります。
それが今後のバリアフリー化において、設備の充実よりも重要なポイントになるはずです。
超高齢化社会における車椅子利用のお客さまにお越しいただくための集客につながる点です。
ぜひこの機会に実践されることをおすすめします。
もしこういった点について、何かご検討であれば、いつでもご連絡をどうぞ!
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