接客・応対のこころのバリアフリーは買い手の立場で考えてみる
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
「こころのバリアフリー」対応が小売店・飲食店などの商業施設でできるかどうかは、今後の大きなポイントとなります。
でも難しく考えることはありません。
相手にニーズに応えるという接客・応対の基本スキルを身に着けていれば大丈夫です。
でももし相手のニーズに応えるような接客・応対ができていないのであれば、この機会に自分のやり方を変えてみてはいかがでしょう。
相手に対しての傾聴力をつけること
大事なポイントは、傾聴力です。
まずはお客さまのニーズをよく聴くことです。
そして話の途中で自分の提案を入れてしまわないことです。
さらにきちんとニーズを聴いたうえで、どうしたら喜ばれるのかを自分なりに考えてみることです。
ただ残念ながらよくあるケースが、接客する際に、自分が伝えたいことをあらかじめ決めていて、お客さまを強引に巻き込もうとする人がいます。
「私がお客さまにおすすめするものがすばらしいから、これにしたほうが断然お得ですよ」という態度をガンガン表現する人は要注意です。
よく見かける業種は、携帯電話販売や家電販売に多いかもしれません。
例えば、エアコンを購入するために、来店されたお客さまがいたと仮定します。
お客さまが「エアコンを探している」と言っただけで、従業員は「売りたいスイッチ」がONしてしまいます。
そこで、テレビのCMで流れているような人気のエアコンだったり、店舗における売れ筋のいいエアコンをおすすめします。
そして従来のエアコン機能との違いをガンガン話してしまいます。
お客さまの買いたい理由をきちんと確認しないまま、早い段階で「こちらがおすすめ」と決めつけてしまいます。
そうするとお客さまは、従業員の話にかなり圧倒されてしまい、肝心な自分たちの悩みは聞いてくれない人だと思ってしまうでしょう。
さらに往々にして「お客さまは高性能だけどお値打ちなものを望んでいる」とはなから決めつけてしまう場合があります。
それは、価値観の押し付けでしかありません。
お客さまはいろいろな悩みがあります。
高額なものを望んでいる人もいます。
電気代を気にしている人もいます。
高性能なものは要らないからかなりお値打ちなものが欲しい人もいます。
単に壊れたからすぐに手配できるものが欲しいという人がいます。
でもその要望を後回しにして、従業員が売り込もうとする意欲満々な姿を見せてしまうのです。
売り手の立場ではなく買い手の立場で考える
意外にこういった接客・応対は、店舗で働いているとよく見かけます。
私の働いていた店舗には、家電販売もあったので、往々にして上記のようにやっていた従業員がいました。
また私もそのようにすすめられたこともあります。
なぜなら企業にいると、買い手の立場ではなく、売り手の立場で考えてしまいがちです。
販売ノルマがあれば、余計に売り込みたいと思って、売り手の立場を強く出してしまいます。
私も企業で仕事をしていたので、「どうしたら売れるのか」「売上をあげるためにはどうしたらいいか」を考えてしまう傾向が多かったものです。
ここで大事なことは、買い手の立場を考えることです。
「お客さまが何を求めているのか」「どんな悩みを解決したいと思っているのか」に注目することです。
これは、こころのバリアフリーにおいても同様で、何をしてあげたいよりも、何を必要としているのかを考えることです。
その立場を考えることができるだけで、お客さまへの対応が大きく変わることでしょう。
その視点に切り替えることができるかどうかによって、接客スキルも大きく向上することができるでしょう。
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