バリアフリーはバリアになるかどうかの様々な検証から生まれる

2019.07.05 (金)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

今後のバリアフリーを考える上で、施設側から見ると当たり前だと思っていることが、自分事として考えてみるとおかしいことが結構あります。

 

そのため相手の立場になって考えてみることが、こころのバリアフリーの浸透が必要になっていくでしょう。

なぜ車椅子席は1名の利用ではダメなの?

一例を申し上げますと、約10年前にあるスポーツ観戦に訪れたときのことです。

 

車椅子席というものが設けられていましたが、事前の予約制のチケットではなかったので、当日の先着制になっているチケットでした。

 

当日はものすごく大きなイベントがあり、早朝から多くの人が当日のチケットを求めて並んでいました。

 

そして私よりも前に並んでいた人に車椅子利用者が1名いました。

 

ところがその人が当日のチケットを購入しようとしたところ、チケットの係員が言った言葉に唖然としました。

 

「車椅子利用者1名ではチケットを販売できません」

 

なぜ車椅子利用者が車椅子席を購入できないのか。

 

係員はおかしなことを言いました。

 

「車椅子席というものは同伴の方がいらっしゃるから販売できるのですが、車椅子利用者お一人様では販売することができません」

 

でも車椅子席の購入には、同伴の人がいないとダメなことは一切HP等でも明記されていません。

 

残念ながら早朝から列に並んだその方は、その場を立ち去るしかありませんでした。

 

車椅子席を販売する側において、そもそも車椅子利用者1名で施設に来ることを想定していないのでしょう。

 

そして同伴者がいるのが当たり前という変なイメージがあるのでしょう。

 

実際に私も普段から車椅子利用者1人で行動していますから、こういったルールがあると厳しいものです。

誰にも伝えてないルールを勝手に作ってしまう

また次の例は商業施設によくあることです。

 

ある時間を過ぎるとエレベーターを停止させてしまったり、該当の階には行けないようにしています。

 

これが大きなバリアにつながります。

 

私をはじめ車椅子利用者は、こういったアクシデントを頻繁に遭遇しています。

 

多くの車椅子利用者にとっては、「車椅子生活あるある」だと言います。

 

施設側に「〇階には行けないのですか?」と質問すると、ほどんどの方々が当たり前のように使う言葉があります。

 

「ルールになっていますから…」

 

さらにひどいケースでは

 

「車椅子利用者は〇時までに利用してもらわないと困るんです」

 

明らかに悪いのは、ルールを守らない車椅子利用者側にあるという説教をされます。

 

しかもそのルールはHPにも商業施設内にも見える化されていません。

 

つまり業務をする上での企業内ルールとなっています。

 

知らされていない側としては、カチンと頭に来ます。

大事なことは自分だったらどう感じるか

もし自分が同じ立場だったらどう思うかを考えることができない点が大きな課題です。

 

今回のようなケースが施設の中にあるどうかをまず確認してみることが必要となります。

 

私は長年、企業側の立場で仕事をしてきたので、商業施設における出入口の開閉時刻においては十分考えて対応してきました。

 

例えば、「先着〇〇名様へ販売する」といった企画があった場合は、出入り口の開閉については、十分慎重に対応せざるを得ません。

 

「この入口に並んだから買えなかった」といったトラブルになることがあります。

 

商業施設の入口が1ヶ所であれば、トラブルが起こりませんが、何ヶ所もあるとお客さまの立場でいろいろと考えることが必要になります。

 

そういった面を考えると、バリアフリーにおける部分においても同様になります。

 

そしてその立場の人、つまり車椅子利用者に確認してもらうことが一番分かりやすいでしょう。

 

そうやってケースバイケースを想定して、施設管理をしていくことが必要です。

 

せっかくお越しいただいたお客さまに対して、気軽に足を運んでもらえるようにしていくことをおすすめします。

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