バリアフリーにおいては利用者の立場を想定して対応する
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バリアフリースタイル代表の白倉です。企業側は全く気がつかないのに、お客さま側の不満は募っているケースがいろいろあるものです。どうしても売り手の立場からしか見ていないこともあり、買い手の気持ちが分からないことがあります。そういった中で、駐車場の問題を提起したいと思います。利用する側の気持ちに気づくことが大きなポイントです。
無断駐車の防止の赤いコーンはバリアになる
先日は、あるショッピングモールの立体駐車場を利用しました。身障者用駐車スペースが設置されている駐車場であったにもかかわらず、赤いコーンが置いてあるスペースでした。誰かが同乗していれば、赤いコーンを動かしてもらえますが、1人だったこともあり、管理事務所へ電話しようとしたものの電話番号が分かりませんでした。
たまたま身障者用駐車スペースの隣の駐車スペースが空いていたこともあり、一度クルマをとめて車椅子に乗り移り、赤いコーンを動かしました。そしてもう一度クルマへ乗り込み、身障者用駐車スペースへクルマをとめ直した出来事がありました。何とか該当スペースにとめられたのでホッとしましたが、かなり面倒くさいものでした。通りすがりの人がいたらお願いすることもできましたが、残念ながら誰も通りませんでした。
こういった事例は、1人で運転している車椅子利用者にとって誰もが似たような経験をしています。私のコラムを読んでくださっている方々からも、赤いコーンが邪魔で駐車したかったのに諦めたといった話をよく聞きます。当事者にとっては、企業側が健常者による無断駐車を避けるためにとっている対策であることは十分承知の上ですが、肝心な車椅子利用者がとめることができない駐車場になってしまいます。
利用しないのに駐車料金がかかってしまうケースも
次もある駐車場を利用したときのことです。身障者用駐車スペースが1台分しかない中で、空いているかどうかは現地で確認しなければ分からないケースです。駐車場入口を入ったものの身障者用駐車スペースが空いていなかった場合、そのまま出口にいかなければなりません。しかし駐車できなくて入口から出口に向かっただけで、課金されてしまいました。駐車場出口は、無人の場合がほとんどなので、お金を払わないと出ることができません。
上記の件については、駐車場を管理している企業にメールを送ったところ、早速の改善対応をしてくださいました。こういった改善をするのも企業にとっては大変な労力だと思いますが、私1人だけが気にしている問題ではなかったはずなので、多くの方々にとって朗報となるでしょう。
大事なポイントは、こういったケースについて、企業側がご存知かどうかです。私は総合スーパー時代に新入社員のころ、上司から伝えられたのは、1人のクレームがあれば、10人の方がクレームを言わないで不満に思っているとのこと。今回のようなケースにおいても、ほとんどのお客さまは何も申し出てこないことが多いものです。だからこそ企業側にとっては、何も気がつかないままです。
いかに日頃からどのようなケースバイケースがあるかを、ある程度想定しておくことが必要です。意外と企業側は知らないだけで、お客さまは知っていたということは頻繁にあるものです。それは自分がお客さまの立場(買い手)ではないから気がつきにくいものです。だからこそお客さま目線で考えるクセを身に着けておくことが、お客さま満足につながるでしょう。
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