バリアフリーへの苦手意識は英会話に似ている
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バリアフリースタイル代表の白倉です。お店に車椅子利用者から「お宅のお店はバリアフリーですか?」と質問されたときにどう対応しますか?超高齢化社会や社会のインフラが整ってきた中で、この10年で車椅子利用者が外出している姿を多く見かけるようになりました。そのときにどうしたらいいのか考えてみたいと思います。
完璧を求めてしまうからこそ行動に移せない
バリアフリーは、英会話のような難しさを多くの方が感じていらっしゃると思います。私自身においても、英語は人一倍苦手な立場ですので、外国人から英語で話しかけれたらどうしようと思ってしまうタイプです。エレベーターの中に外国人と一緒に乗ったら、声をかけられてもいないのに「返答ができるだろうか?」なんて思ったりもします。
長年にわたり、学校教育の中で、単語・熟語・文法などを勉強しているのにも関わらず、英会話になると「?」の状態になってしまいます。だからといって、実際に声をかけられたら、英会話が成立しているようには思えないくらい、でたらめな文法を使いながらも、知っている単語と熟語を連発して会話しようとするものです。場合によってはジェスチャーもしながら会話をしたりすることもあるでしょう。
これはバリアフリーにおいても同様であり、「車椅子利用者から声をかけられて何かをお願いされた場合、どうしたらいいのか分からない」と思う人が多くいるでしょう。といっても何も困っていなければ、声をかけられることもないのが現実ですが、もし声をかけられて助けを求められたときに、どう対応するかは、「相手に具体的にどうしたいか」を聞くことです。しかも英会話と違って、日本語なので間違いなく通じます。完璧をもとめてしまうからこそ行動に移せなくなってしまいます。
むしろ車椅子に乗っているといっても、千差万別ですから、車椅子に乗っているAさん・Bさん・Cさんは障害のレベルも考え方も、価値観も違います。ちなみに障害のレベルと言うならば、少しなら立位歩行ができる人もいれば、立位歩行ができない人、上半身も自由に動かせない人、握力はないけれど立位歩行ができる人など様々です。そんな状態の中で「これだ」と決めつけて、相手の意向を聞かないで対応するのはトラブルが生じます。
どれだけ具体的は話ができるかどうかがポイント
ここでのポイントは、どれだけ具体的に聞くことができるかどうかがお店などの接客応対をしている人にとって、スキルが変わってくるでしょう。質問内容が「おたくのお店はバリアフリーですか?」と質問されたとします。ではどう答えるか?「バリアフリーである」「バリアフリーではない」のどちらも間違いです。なぜなら何がバリアフリーなのかが全く分かりません。
一般的には多目的トイレがついていれば「バリアフリー」なケースが多いですが、実際にそうでないケースもあります。だからこそバリアフリーに求めるものは当事者に再度聞かなければなりません。もちろん車椅子利用者側にとっても質問の聞き方に対して上手くならなければならない課題もありますが、答えるお店側が「どのようなことがお困りでしょうか?」とか確認することが必要です。
そうすると「私は車椅子で来店したいのですが、入口には段差はありますか?何段ありますか?多目的トイレはありますか?」といった質問に変わるでしょう。そこでその質問に対して具体的に回答をすることで、当事者側が利用できるのか利用できないのか判断がつくようになると思います。
もし利用できるかどうかを迷っていた場合は、お店側がお手伝いすることで対応できるものなのかを聞くといいでしょう。例えば、2段以上の段差は車椅子利用者にとって、自力で上がることはできません。そこでお店のスタッフで持ち上げることができるのであれば、対応することが可能になるでしょう。大事なポイントは、「具体的に聞く」そして「慣れる」ことですので、ぜひとも実践してみてください。
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