バリアフリーについては当事者だったらどう思うかがポイント

2018.03.19 (月)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。世間における公共交通機関・大型商業施設などのバリアフリー化のインフラは整ってきている中で、小規模店舗のバリアフリー化など様々な課題があるのは事実です。そういった中で現時点のインフラを考えたときにどう感じるかによって、バリアフリー度における関心事が変わってくると思っておりますし、見方を変えることで店舗などのバリアフリー対応などがスムーズになると思っております。

「車椅子利用あるある」についてどう感じるでしょうか?

実際に車椅子生活をしている私にとって、この20年間によってかなりバリアフリー化の流れは変わってきましたが、「ここが変だよ」と思うようなポイントがあるのも実態です。そこでこれから述べるような事例について、どう感じるでしょうか?

 

【下記のような事例についてどう捉えますか?】

 

①24時間利用可能駐車場ですが、エレベーターが22時にストップするために車椅子利用者は22時までに戻らないとならない

 

②公衆トイレですが、一般のトイレはいつでも利用できるのに対して、多目的トイレは16時で鍵がかけられてしまう

 

③バリアフリー化された映画館ですが、車椅子利用者の観るスペースは一番前の列のみ。でも映画館の一番前の列は人気がない。

 

④スポーツ観戦時に「車椅子席」があるが、付き添いの人がいなければ車椅子席を利用することができない。

 

今回4つほど実際にある事例を挙げましたがいかがでしょうか?でもこういった事例に対して、様々な意見が挙がります。実際に当事者側の立場を考えれば、「何か変ではないの?」になることが多いですが、そうでもない意見もよく聞くことがあります。それは下記のような意見です。

 

①「エレベーターを管理する人が24時間駐在しているわけではないからやむを得ない」「ルールになっているから夜の22時までに戻ってきてもらわないと困るのでは?」「一般的に車椅子利用者が夜22時に利用することがないと思う」

 

②「トイレを管理する人が16時で仕事を終了するからやむを得ない」「多目的トイレはいたずらなどがある可能性から夕方以降の開錠はしないほうがいい」

 

③「バリアフリー化することだけでありがたいと思ってほしい。利用者の満足を考えるところまで対応するのはハードルが高い」

 

④「そもそも車椅子利用者が1人で出かけることを想定していないからやむを得ない」「ルールだから仕方がない」

 

というような意見があります。でもこれは当事者側の見方ではなく、当事者不在の中で決められたルールに基づいた見解ではないでしょうか?あくまでもルールというものを用意して、型にはめてしまっているような感じがしてなりません。でも実際にその立場になったらどう感じるかが大きなポイントです。

誰もが喜んでその施設を利用したいと思えることがお客さま満足につながる

人は遅かれ早かれ老いる中で、自分自身が車椅子生活になったときに少しでも気軽に楽しく過ごしたいと思う気持ちになるものです。決して我慢することが仕方がない生活を望んでいるわけではないはずです。もちろん上記の4つの項目においても、管理している企業の内部事情があるので、難しいケースは出てくると思います。

 

しかし今後の超高齢化社会において車椅子利用者は明らかに増加傾向にあります。そういった中で店舗などを運営していくときに考えるべきことは、誰もが喜んでその施設を利用するような環境にしていくことではないでしょうか?それがお客さま満足につながり、「またあの店に行きたい」というようなリピーター化につながるはずです。それが最終的には利用者にも満足ができて、運営側にとっても売上に結び付くのではないでしょうか?

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