接客応対が苦手としている部署だからこそ必要なバリアフリー
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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
大型商業施設などにおいては、建物のバリアフリー化が進んでいる中で、こころのバリアフリーにおいてもある程度対応できているでしょう。
しかし接客応対の業務が欠かせない売場などにおいては、お客さまを意識するものの、そうではない売場で働いていると、あまりお客さまを意識しない働き方になってしまいがちです。
せっかくであれば、お店全体がきちんとした接客応対のできる姿を目指したいものです。
食品売場でもお客さまを意識することができるか
先日、総合スーパーを利用した時に感じたことです。
食品の野菜売場で品出ししている若い男性がいました。
彼は平台にある野菜を補充するために、大型の台車を持ってきていましたが、通路幅の半分ぐらいをとっていました。
その際に車椅子利用者の私は、近寄ったもののその通路を通れず。
しかも一般の人においても、狭いためにその通路を通るのはとても難しかった状況でした。
周りにいるお客さまに気がついていない、もしくは気がついていても自分の仕事をやりきるという思いがあるために、お客さまが近づいてきてもあえて動くことはしないと思っていたのかもしれません。
実際に私は23年前に総合スーパーに入社当初に配属された部署は、その彼と同じ野菜・果物・生花売場担当でした。
だから品出ししている気持ちも分かるものの、お客さま最優先である仕事の仕方をしないといけないことも知っています。
そのため今回のように、お客さまが近づいても「いらっしゃいませ」を発しないことや、あえて動かない姿勢は、とてもお店に対する印象度を下げてしまいかねません。
ただそういった状況のときに考えられるのが、他の従業員の方々の様子です。
残念ながら、他の従業員にも元気がなく、挨拶などはありませんでした。
そうなると、個人の問題というより店全体の問題なのかしれません。
普段から接客応対に関わらない従業員も対象とする
こういった際に考えられることは、常日頃から接客部門にいる従業員ではなく、むしろ接客応対に携わる従業員以外の方々に焦点を当てなければならないでしょう。
直接接客応対の仕事をしていなくても、売場に出て仕事をしなければならないことを考えれば、やはり接客応対のノウハウを身につけないとなりません。
もちろんリーダーなどはお客さまからの商品クレームなどの対応をしているために、接客応対のスキルがあるかもしれません。
しかし商品品出しをする人、調理を中心に行っている人は、直接お客さまとの会話をすることが少ないために、どうしても作業優先になってしまいがちです。
でも残念ながら、その方々が売場にいるからこそ見られていることでもあります。
なぜ挨拶をしないのか?
なぜカゴをもったお客さまが商品を選んでいるのに、あえて通路を占領しているのか?
など気になることは多いでしょう。
店舗従業員全員へのこころのバリアフリー対応教育
そこでできれば行っておいた方がいいのが、接客応対の教育とともに、こころのバリアフリー対応教育です。
言い方を変えれば、お客さまの立場になって考えてみる教育です。
お店の中には高齢者をはじめ車椅子利用者などが来店されるでしょう。
私が車椅子利用者として感じるのは、届かない商品があったり、通路幅が狭いことなどです。
そういった場面に出くわしたときに、その方々のお困りのことを察知できるかどうかが大きなポイントです。
また品出しをしていても、常に周辺の空気を肌で感じることも必要です。
お客さまがそばに近寄ってきたかを感じたら、すかさず「いらっしゃいませ」と声をかけるようなタイミングもつかんでおくといいでしょう。
最低限の接客応対のスキルを身に着けることが、こころのバリアフリーを展開できるポイントになるでしょう。
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