無言で車椅子を押すことはバリアフリー上ではNG
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
以前に比べると少なくなってきましたが、
接客応対の際、声かけ無しに
車椅子を押そうとするようなケースがあります。
ただ残念ながらこれはあまり喜ばれないものです。
私は以前経験したのですが、
車椅子を押していただく必要がなかったので
丁重にお断りしたにも関わらず、
従業員の方から
「押すことは私の仕事ですから・・・」
と強引に押されたこともあります。
でもこれでは有難迷惑につながってしまいます。
お店などのサービス業にとって
大事なポイントは、
相手のお客さまのニーズにお応えして
いかに自分のお店のファンになってくれるか
だと思います。
つまり商品だけではなく、
従業員の接客応対も含めて
どれだけ気に入っていただき、
リピーターになっていただけるかです。
人を観察していればよくあることですが、
1つ1つの動作があまり早くない人がいたとします。
でも早くないから手伝うことがいいかといえば、
そうではありません。
ゆっくりの動作でも自分1人で
何とかしたいと思う人は多くいます。
せっかくアシストしてあげようと思っているのに、
なぜ相応しくないかを考えてみたいと思います。
自分1人でなんとかしたいと思う人はいる
例えば、自分の足にケガをしたとします。
入院をして手術などを済ませた後は、
長く動かしていなかった足のリハビリが開始しました。
当然のことですが、痛かったり、
動きが取り戻せなかったりすると思います。
でもそのつらい局面をクリアしなければ、
日常生活を普通に過ごすことは難しくなるでしょう。
だからこそ自分1人でやりきろうとする
気持ちが大きくなります。
その後、退院したとしても、
完全に元の状態へ戻らなければ、
日常生活においてもリハビリが入ってきますし、
リハビリではなくても
日常生活では自分がやらなければならないと
思う気持ちは強く持っているものです。
私にとっても、
車椅子を押していただければ
少しは楽ができると思ってしまう反面、
自分に負荷をかけない生活をしていると
だらけてしまうという不安ももっています。
そういった点から勾配が思っていた以上に
きつい坂だったりすれば、
アシストをお願いしますが、
そうでなければ頼まないで
自分1人で行うことが多いものです。
どうしても甘えてはいけないという気持ちもあります。
無関心はよくない、気づく力が大事
そういったことは車椅子利用者だけでなく、
障害者や高齢者においては
よくあることではないでしょうか?
だからこそ、声かけ無しに無言で
車椅子を押そうというのは、
相手の気持ちを尊重していないことに
つながってしまうわけです。
でも車椅子だから押してあげれば喜ぶのでは?と
思う気持ちは間違っていません。
人と人とが共存している社会においては
気にかけてあげるとか気づく力があることが
大事なポイントではないかと思います。
これは相手が車椅子利用者だけでなく、
一般の人でも困っていれば手助けしてあげる
必要があります。
そのため大事なポイントは、
「何かお困りでしょうか?」とか、
「何かお手伝いすることはありませんか?」とか
声をかけて確認することです。
それで相手からの返答で対応するかしないかを
決めればいいと思います。
さらにお店の接客応対となった場合には、
どうされたいかを具体的に伺うことです。
テーブルの椅子はそのままがいいのか?
それともテーブルの椅子は外した方がいいのか?など
人によってケースバイケースなので、
そのお客さまの立場に立った
接客応対が必要となってくるでしょう。
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