車椅子を利用しているお客さまに対する接客のバリアフリー
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バリアフリースタイル代表の白倉です。店舗などで高齢者・障害者で車椅子を利用しているお客さまへの接客をしようとしても、今まで接したことがないからどうしていいのか分からないというケースが未だに目立っています。まず大事なポイントは自分の持っているイメージを取り除くことです。そして接客マニュアルを超えた相手の立場を考える接客方法を身に着けることではないでしょうか?
車椅子利用者をみたらすぐに助けようと思うのはふさわしくない
学校教育の中で車椅子を利用している方と一緒に過ごしたことがないことにより、大人になるまで全く接点がない方が多いと思います。そういう私自身も24歳まで健常者でしたので、ほとんど接点はありませんでした。強いて言えば、中学生のときに生徒会をやっていたこともあり、養護学校に1回ほど行ったことがあるくらいです。
そして24歳のときの交通事故により車椅子生活になりました。今までとは違った立場の中で、外出していると世間の視線が気になったこともありました。世間では「車椅子に乗っている人=かわいそうな特別な存在」という形で見られることが多いものです。
では店舗などに車椅子を利用しているお客さまがいらっしゃったときはどうすればいいのでしょうか?まずは先ほどの逆になりますが、特別扱いしないことだと思います。あまり良くない例が、車椅子を利用しているお客さまが来店したら、すぐに駆け寄って強引に押そうとするのはあまり望ましくない接客方法になります。
もちろん表情を見たりして大変な状態であれば、「何かお手伝いすることはありますか」と声をかければいいのですが、何でもかんでも車椅子を利用しているお客さまがいたら助けなければいけないと思ってしまうのは、あまりふさわしいとは言えません。このケースで臨むと、車椅子利用者から断わられるとトラウマになって心に傷つく人を多く見かけます。
つまり、行き過ぎたサービスは、車椅子を利用しているお客さまにとってありがた迷惑になってしまいがちです。但し、状況を勘案してケースバイケースで対応することは、大事なポイントです。型どおりの対応ではなく、個々の状態に合わせた対応が望まれます。そこが一番難しいポイントではないでしょうか?
マニュアルを超えたケースバイケースの対応も大事
特に若手の従業員は、接客経験が少ないこともあり、マニュアルに頼ってしまうことが多いものです。だから車椅子を利用しているお客さまが来店されても、「当店の水はセルフサービスになっていますから、あちらからご自由にお持ちください」とつい言ってしまいます。しかも、本人はマニュアル通りに行ったと思い、適切な対応したと思っています。
大事なポイントは、店舗に用意されている接客マニュアル以外でも、臨機応変に対応することが必要になります。そして常にお客さま目線で対応することが望まれます。そのため接客経験の少ない若手従業員などには、直属の上司からマニュアルを超えた接客方法をOJT(ON THE JOB TRAINING)の場で教育していくことです。
そして常にお客さま目線になり、自分がその立場だったらどう思うかを考えた接客方法を考えるくせを身に着けることではないでしょうか?逆に自分が接客されて嫌だと思う事は、たいていのお客さまにとっても嫌なものです。だからこそ自分自身が、今まで味わってきた嬉しかった接客方法と嫌だった接客方法を思い出してみれば、自ずとどう対応したらいいかが分かってくるにちがいありません。それを実践の場でより多くのお客さまの対応をしていくことがスキルを磨くことになるでしょう。
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