車椅子利用者へのサポートの仕方で心のバリアフリーが分かる
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
お店に1名の車椅子利用のお客さまがやってきました。
そのときあなたはどうしますか?
どうしても慣れていないことで
起きてしまうことがあります。
過剰に接してしまったり、
言葉を全くかけなかったり
自然ではない
ぎこちない対応になりがちです。
大事なことは、
「過剰でもなく、無関心でもない」ことです。
なぜそうなってしまうでしょうか?
あくまでも一例ですが、
鉄道会社の対応をご紹介します。
過剰でもなく無関心でもないライン
以前の対応でよくあったのが、
駅員さんが「私が車椅子を押しますので…」
と強引に押そうとするのがほとんどでした。
「車椅子を押すのが私の仕事なので、
押させてください」と主張されて、
私が「結構ですよ」と断っても
分かってもらえないことがありました。
ところが最近では、
「サポートは必要ですか?」と確認して
必要がないことを返答したら、
「あとからホームに向かいますから
先にエレベーターでホームへ行ってください」
といった感じです。
一見するとかなり雑になったのではないか
と思ってしまうかもしれません。
でも人にもよりますが、
「自分にできることは自分自身でやりたい」
という気持ちもあります。
そこが大事なポイントなんです。
必要ならば手助けする。
必要でなければ手助けしなくてもいい。
これが過剰でもなく、無関心でもないことの
適度な対応となるでしょう。
親切の押し売りになってしまうのはNG
一般のお店においても、
慣れていない人が対応すると、
「私が〇〇してあげれば、
あの人はきっと喜ぶはず」
と考えてしまうのです。
もちろんそのことは本当に素敵なことです。
でも押し付けではダメなんです。
その押し付けが過剰対応になってしまい、
下記のようなことが起こることが
実際にあるんです。
例えば「車椅子を押しましょうか?」
という問いかけもないまま、
強引に押してしまいます。
相手が「いいえ、結構です」と断ったら、
「私は何であなたのために
サポートしてあげているのに、
何で断るの・・・?」
と考えてしまう人がいるんです。
これでは「親切の押し売り」です。
「自分が助けてあげなければ、相手はダメになる」
という勘違いをし、お節介を焼いてしまい、
他人のことを「自分よりも弱い存在・無力な存在」
と思い込んでしまう傾向があります。
もし自分が逆の立場だったらどうなのかを
考えてみれば分かると思います。
大事なことは、
「相手には相手の考えがある」ことを
理解しなければならないでしょう。
相手(お客さま)の意思を確かめる
もちろん「自分が〇〇しよう」という
意思があってアクションにつながるわけですが
相手の気持ちを尊重することができるかです。
だからこそきちんと質問して
相手(お客さま)の意思を
確かめることが先決です。
だからといって
無関心であるのもよくありません。
「過剰でもなく、無関心でもない」ことを
うまく対応できることが、
心のバリアフリーにおける
接客・応対のポイントになります。
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