電話対応から始めるバリアフリー|車椅子利用者からの問い合わせにどう答えるべきか?
多様なお客さまが訪れる時代。
これまでバリアフリーに触れてこなかった方も、今こそ「最初の一歩」を踏み出す時かもしれません。
ここでは「バリアフリーって何から考えればいい?」という方に向けて、ビジネス現場で使える具体的な気づきをお届けします。
車椅子からの問い合わせに、あなたならどう答えますか?
飲食店や小売店に、車椅子利用者やそのご家族からの電話問い合わせがあったとき、対応に戸惑った経験はありませんか?
日頃から車椅子の方と接していないと、「何がバリアで、何がバリアフリーなのか」が分かりづらいものです。
特に今は、高齢化の進行により、本人だけでなくご家族からのお問い合わせも増えています。
HPやSNSでは分からないことを、電話で尋ねられるケースがほとんどです。
そんなとき、「何となくで答える」ことはリスクになります。
だからこそ今、バリアフリー接客の基本スキルを身につけておくことが、お店の信頼度アップにもつながるのです。
「大丈夫です」は危険。「具体的に答える」が鉄則
「大丈夫です」と即答したけれど、実際は入れなかった――そんな事例は、クレームやSNS炎上にもつながりかねません。
逆に「面倒だから無理です」と断る対応も、障害者差別解消法の観点から問題視される時代です。
たとえば過去には、ある有名人が入店拒否をSNSで発信したことで、その店に厳しい批判が殺到したケースもありました。
だからこそ重要なのは、「バリアフリーですか?」という抽象的な質問に対して、何を不安に思っているのかを丁寧に聴く姿勢です。
たとえば、段差・トイレ・通路幅・テーブルの高さなど、お客さまの求めている条件を具体的に聞き出し、それに対して正確に答えることが理想的です。
即答が難しい場合は、一度電話を切って調査したうえで、折り返すという選択も立派な対応です。
「調べてくれた」という事実こそが、そのお店への信頼と評価につながるのです。
まずは自店舗の「バリア」を見える化することから
お客さまに正確な情報を提供するためには、まず自店のバリアフリー状況を可視化する必要があります。
しかし現実には、「何がバリアなのか分からない」という声も少なくありません。
そこで有効なのが、バリアフリーに詳しい専門家の現地診断です。
段差・手すり・トイレなどの設備(ハード面)と、接客・応対(ソフト面)の両方をチェックしてもらいましょう。
また、従業員の方に車椅子体験をしてもらうのも非常に効果的です。
「押してみて」「乗ってみて」初めてわかる視点は、接客力向上と安心感のある店舗づくりに直結します。
まずは「知らなかった」から「知ってよかった」へ。
今、バリアフリー対応を始めることが、未来のお客さまとの信頼づくりにつながります。
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