従業員の接客レベルの差を埋めるために教育が重要
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バリアフリースタイル代表の白倉です。店舗で働く従業員の接客スキルには個人差が生じています。観察力の高い人、面倒見のいい人などはマニュアルを超えて、お客さまにふさわしい対応を考えますが、そうでない人はどうしてもお客さまに不愉快を与えてしまったり、お困りごとに気がつきません。でも従業員として雇っている以上、何か作戦を考えなければならないでしょう。
車椅子利用者を全く気づかない人もいる
超高齢化社会に伴い車椅子利用者は限りなく増加傾向にあります。駅・ショッピングモール・街中などどこに行っても車椅子利用者を見かけない日がないくらいになっています。最近では介助者が不在で、単独の車椅子利用者も多く見かけるようになりました。私は20年間車椅子生活をしていますが、この20年で大きく変わっているように思えます。
それは社会のインフラが整備されてきたことではないでしょうか?ハートビル法から始まったバリアフリーの法律ですが、いろいろと変遷をたどり、現行のバリアフリー法が施行されております。そのおかげで鉄道などの公共交通機関や大型商業施設などは、以前に比べて利用しやすくなっております。そういった点が大きく影響しています。
それでも一般の人にとっては、車椅子利用者が外出している姿をほとんど見かけないという人がいます。実態とは違うのは、まわりの人たちの観察をしているかどうかではないでしょうか?つまり観察力があるのかないのかのように思えます。
例えば、毎日忙しいから自分のことを中心に考えてしまう人にとっては、残念ながら車椅子利用者というより、人そのものにも関心がないのかもしれません。だから街中で誰かが困っていても、助けようとしないどころか気がつくこともないのかもしれません。気がついていても見て見ぬふりをして通り過ぎてしまうのかもしれません。私でなくても誰かが助けるだろうと自然に思ってしまうのかもしれません。
接客を必要とする人なら観察力や気づく力が大事
店舗などにおける接客を必要とする人が上記のような状況であったとしたら、お客さま対応の課題が出てくるでしょう。普段において気がつかない人にとっては、お店での対応でも気がつかないからです。私は店舗の責任者をやっていてとても感じるものでした。そのためどうしても接客技術に個人差が生じてしまい、評判の良い従業員、評判の良くない従業員が明らかになってしまいます。
しかもお客さまだけでなく、その職場で働いている従業員にも分かってしまうことが決定的です。ではどうしていくのか?採用している以上、何も取り組まないで本人の成長を期待しても、さすがに難しいことでしょう。そうなるとまずは接客応対訓練などを通して、お客さまの対応というものを考えていくスキルを身に着けてもらうことです。
そして集団研修から離れた後は、チームリーダーの下でOJT(ON THE JOB TRAINING)を通して、1対1の実践訓練を実施していただきます。どうしたらお客さまに喜んでいただけるのかを考えることで、成長する人も出てくるでしょう。しかしそれでも難しい場合は適性を考えて、現在の接客部門から部署異動していただくこともやむを得ません。
今後は車椅子利用のお客さまだけでなく、多様な方々に対応できることが求められます。その点を考えると社内で教育していき、一人一人のスキルアップを目指していくことが必要です。個人に任せるのではなく、社内で勉強できるような仕組みを作っていくことが、お客さま満足の店舗になっていくにちがいありません。
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