覆面調査の結果を従業員のモチベーションにつなげる

2018.06.25 (月)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。先日のTBSテレビ「がっちりマンデー」で最近上場したショッピング・レストランにおける「覆面調査」の企業が紹介されておりました。覆面調査に関わる調査員はあくまで素人であり、プロの目線というよりお客さまの目線から考察する調査会社でした。調査方法としては、「2ストライク・1ボール」という独特なルールによって、お店の評価をするといった形式でした。

 

この形式は、お店にとって良いところを「2」とするならば、改善してほしいところを「1」の割合で、依頼されたお店へフィードバックするもの。どちらかと言うと、良いところをもっと伸ばしていこうというスタイルで覆面調査が行われていました。悪い点ばかりを指摘したら、働いている人が嫌気をさしてやめてしまうこともあるとのこと。そして今回取り上げたいのが、従業員に対してどのようにフィードバックしていくかを考えてみたいと思います。

覆面調査の結果をどう活かしていくかがポイント

今回この放送を見ていて、「確かにそうだな…」と思うところがありました。私がかつて働いていた総合スーパーにおいても、覆面調査(お客さま満足度調査)が年中行われておりました。おかげさまで2013年下期に私が在籍していた店舗が全国1位の店舗になりましたが、それ以前は評価の悪いときが何度もありました。もちろん調査員の適性にも大きく左右されるので当てにならない場合もありますが、あまりにも刺々しいような報告をもらうと従業員へのフィードバックが難しくなることがありました。

 

「従業員の○○さんは挨拶が聞こえなく、やる気を感じない」とか書かれていた場合、どう説明するのか?その際に「調査結果では『あなたはやる気がない』と書かれていますが、なぜそんな態度をするのですか?」と該当の従業員へ言ったとしたら、間違いなくトラブルが発生します。「はい、分かりました。以後気をつけますので頑張ります!」と本音で言う従業員は皆無に近いでしょう。

 

今までの経験上、そういったケースが発生したら退職したいと申し出ることが多いものです。なぜなら従業員のモチベーションが途切れてしまい、余計にやる気を失ってしまう場合があります。中には上司から厳しすぎる注意を受けたということで、会社側にパワハラの申告する人もいます。私も以前その火消しに入ったことがあり大変な思いをした経験があります。指摘を受けた従業員は、普段はとても丁寧な応対をして評判のいい人でしたが、その調査におけるときだけが厳しい評価になっており、その評価内容を上司が本人へストレートに行ったことによるものが原因でした。

 

もちろん事実を直球で伝えることが大事と思う人が多いと思いますが、さすがに昔のスポ根ドラマのように、言われた側がナニクソ魂で頑張ろうというような行動に変わる人はあまりいないものです。むしろ最近はショックを受ける人のほうが多いですし、上司との関係悪化にもつながってしまう場合もあります。そのため言い方については、十分注意をする必要があります。

従業員へのモチベーションを上げなければ意味がない

当然、大きな問題(不正・トラブル・コンプライアンス違反など)に対しては、勇気をもって事実を話さなければならないこともありますが、そうでなければ話す方法には気を付けたほうがいいでしょう。

 

大事なのは、まずはその人への日頃のねぎらいも込めて話していくことではないでしょうか? そして和んできてから事実を伝えた上で、「今後改善していくとよくなると思う点」を述べるのはいかがでしょうか?ポイントは、「あとよし言葉です」 さらに言うならば、決してあなたが悪いといった雰囲気をつくらないで、一緒に頑張っていきましょうといった雰囲気が大切です。

 

実際のところ、悪いところばかりを報告されてもあまり改善には至っていかないのが、私の経験によるところです。むしろ、もっと良くしたい、もっとお客さまに喜んでいただきたいという気持ちをもって改善していくことこそが、お店の従業員のモチベーションをアップさせていくと思っております。

 

そのため従来によくあるような「とにかく上司に従え」というようなスタイルは、むしろ従業員のモチベーションをアップさせるどころか、お客さま満足もつながらない結果になるでしょう。大事なのは、従業員のやる気をいかに引き出すかです。それが従業員満足につながり、お客さまへのサービスレベルを改善し、お客さま満足につながります。

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