エレベーターの“ちょい工夫”で変わる!安心・安全なバリアフリーのつくり方

2025.07.05 (土)

バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

店舗や商業施設のバリアフリー化を考えるうえで、重要な設備のひとつが「エレベーター」です。

 

たとえば2段以上の階段や段差がある場合、車椅子利用者にとっては大きなバリアになります。

 

しかしエレベーターが設置されていれば、それだけで「ここなら行けるかもしれない」と希望につながります。

 

さらに一歩進んで、エレベーターを“より使いやすくする”ために、ぜひ取り入れてほしい2つの工夫をご紹介します。

① 扉の開閉時間は、もう少し「ゆっくり」でいい

 

 

車椅子やベビーカーを利用している方がエレベーターに乗ろうとしたとき、扉がすぐに閉まってしまうととても危険です。

 

タイミングが合わなければ、扉にぶつかってしまうリスクもあります。

 

そこで、エレベーターの開閉時間を「5〜10秒」ほど長めに設定しておくと、より安全に乗り降りできるようになります。

 

実際、私が以前勤務していたショッピングセンターでは、3基あるエレベーターのうち、1基を「車椅子優先」として開閉時間を長めに設定していました。

 

もちろん急いでいる方は“閉ボタン”を押せばすぐに閉まりますので、全体の流れが極端に遅くなることもありません。

 

コストはかからず、設定だけで対応できる簡単な工夫。ぜひ一度、施設のエレベーターの開閉時間を見直してみてください。

② 鏡を設置するだけで、バックでの降車が安心に

 

 

車椅子利用者やベビーカー利用者は、前向きでエレベーターに乗り込むことがほとんどです。

 

混雑していると中で転回できないため、降りるときには“バックで”出る必要があります。

 

しかし、後方が見えないと、人の足を踏んでしまったり、壁や荷物にぶつかったりと、事故やトラブルの原因になります。

 

そんな時に役立つのが、エレベーター内の“鏡”です。

 

まるで車のバックミラーのように、後方を確認しながら安全にバックできるため、非常に安心感があります。

 

私が管理していた施設でも鏡を導入しており、多くの利用者に喜ばれました。

 

特に混雑の多い商業施設では、安心・安全を守るうえで必要不可欠な設備といえるでしょう。

小さな工夫が「また来たい」につながる

 

エレベーターの新設や全面改修には大きなコストがかかりますが、今回ご紹介した2つの工夫は、費用もほとんどかからず、すぐに実行できるものばかりです。

 

たった1秒の違い、1枚の鏡。それだけで「使いやすい」「安心して利用できる」と思ってもらえるのです。

 

それが「また来たい」「ここなら安心」と思っていただける、ファンづくりにもつながっていきます。

 

ぜひこの機会に、施設のエレベーターを見直してみてください。

 

ちょっとした気づきと行動が、誰かの“安心”につながるはずです。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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