カード決済と同じ未来?|バリアフリー対応が店舗の売上を左右する時代へ
以前、オダギリジョーさんが出演している Air Pay(エアペイ) のCMをご存知でしょうか?
海外のお客さまがヘリで来店し、次のようなやり取りになります。
客「あなたのお店の商品を全部買います」
オダ「全部?」
客「早速、カードで」
オダ「うちはカード使えないんですよ」
客「じゃあ、いいです」
その結果、お客さまはそのまま立ち去り、オダギリさんは大きな取引のチャンスを逃してしまうという内容です。
カードが使えるかどうかで、売上が大きく左右されることを強烈に印象づけるCMです。
実は私が推奨している「バリアフリー」も、このCMと同じ未来を迎えるかもしれません。
コストを意識しすぎて売上のチャンスを逃す店舗
今はクレジットカードに加えて、電子マネーやQR決済など多様な支払い方法が広がっています。現金主流の時代から大きく変化しているにもかかわらず、導入コストや手数料を理由に対応を見送る店舗も少なくありません。
私もサラリーマン時代、総合スーパーでテナント経理を担当していました。売上の数%が手数料で差し引かれることに対し、「経営が厳しい」と嘆く声を聞いたことがあります。しかし、ショッピングセンター全体としては全店舗が統一してカード対応を求められるため、非対応を選ぶことはできませんでした。
もし現代にカード非対応のショッピングセンターが存在すれば、確実にお客さまの数は減り、売上に大きな影響を与えるでしょう。
バリアフリーも「対応するか否か」で売上を左右する時代へ
バリアフリーについても、カード決済と同様の未来が訪れる可能性があります。
超高齢化社会が進み、今後5年・10年で車椅子利用者や高齢者の外出がますます増えると考えられます。そのとき、「うちは段差があって対応できません」といった店舗は、お客さまから選ばれなくなるでしょう。
一方で、バリアフリーに対応している店舗は、それだけで集客力を高め、売上を伸ばせる可能性が高いのです。
現時点では「バリアフリー=コストがかかる」と考える方も多いでしょう。しかし社会の変化は想像以上に速く、やがて「バリアフリー対応の有無」が選ばれる店舗の分かれ目になる時代が訪れます。
事実、東京大学での一般参加型セミナーで受講した際に「急速な人口構造の変化により、バリアフリー住宅や施設の需要が爆発的に増える」と予測されていました。つまり、パンドラの箱が開くように、社会全体でバリアフリー需要が一気に広がる未来が迫っているのです。
そうなれば、バリアフリー対応は「福祉のため」ではなく、「ビジネス戦略の必須条件」として位置づけられるでしょう。
つまり今こそ、超高齢化社会に向けてバリアフリーを整備することが、将来の集客と売上アップに直結する投資なのです。
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