段差のある店舗が与える印象と誤解を防ぐための工夫
ほとんど完全にバリアフリー化されたショッピングモールであっても、残念ながらバリアが全くないわけではありません。
例えばレストラン街を歩いてみると、入口に段差が残っている店舗を見かけることがあります。設備面の都合で、排水管や電気ケーブルなどの影響により、どうしても段差をつけざるを得ないケースがあると聞いたこともあります。
本来であれば、そういった物理的障壁も取り除くことが望ましいのですが、改修工事が難しい場合には、別の配慮が必要になります。
車椅子利用者の立場から考える重要性
大切なのは、車椅子利用者の視点に立って考えることです。
バリアフリーが整った施設の中に段差のある店舗があれば、「なぜここだけ段差が?」という印象を与えてしまう可能性があります。
お店側に悪意がなくても、「車椅子利用者を歓迎していないのでは」という誤解を招く恐れがあり、場合によってはクレームにつながることもあります。
この差は立場の違いから生じるものであり、一度車椅子を体験してみることで、その不便さを実感できるでしょう。
もちろん周囲の人やスタッフに「持ち上げていただけますか?」と頼めば解決する場合もありますが、見知らぬ人に頼むことは簡単ではありません。人によっては「忙しいので」と断られることもあるためです。
段差が避けられない場合の伝え方
どうしても段差を解消できない場合は、店頭やホームページで状況を明確に伝えることが効果的です。
例えば「当店は〇〇のため段差があります。ご利用の際はお気軽にスタッフまでお声がけください」といった案内文を掲示します。
このようにすることで、設備上やむを得ない構造であることと、依頼があればすぐにサポートできる体制があることを明確に伝えられます。
結果としてお客さまの誤解を防ぎ、「声をかけても断られるかも」という不安を解消できます。これこそが心のバリアフリーであり、バリアそのものの解消につながるのです。
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