元ドリフターズの荒井注さんの幻のカラオケ店から学ぶ「幅」の重要性

2019.04.25 (木)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

車椅子利用者が通るうえで幅というものが、

いろいろな意味で重要なポイントになります。

 

車椅子に試乗した経験はありますか?

 

一度も経験がなかったりすると、

車椅子の幅を理解することが

できないかもしれません。

 

そうして頭の中のイメージだけで

「これは大丈夫だろう…」と

考えてしまいがちです。

 

その結果として、

車椅子利用者が来店されたときや、

車椅子利用者が職場で仕事をしてはじめて

「かなりギリギリ」

「通行できない」といった

問題が生じてしまいます。

 

せっかく整備するのであれば

喜ばれるようなものを造りたいものです。

 

そのために重要なポイントとなるのは、

「車椅子への試乗チェック」

「車椅子利用者の意見のチェック」

が欠かせないものになるでしょう。

クルマの内輪差をイメージすると分かりやすい

明らかに通れない通路を作ってしまうと、

利用できないというトラブルが発生します。

 

せっかく車椅子利用者に

目的地まで来てもらっても、

お帰りいただく残念な形に

なってしまいます。

 

そのためにトラブルを回避することが

どうしても必要不可欠となります。

 

車椅子の特徴を考えると、

手動タイプと電動タイプでは

車椅子の幅が違っていて、

手動車椅子であれば60cm前後、

電動車椅子であれば70cm前後の

幅になることが多いでしょう。

 

しかも注意しなければならない点は

まっすぐ進むだけのことではなく、

曲がることも想定しておかなければ

なりません。

 

すべてが直線だけであれば通れても、

直角に曲がるときには、

もっと広い幅を必要とします。

 

最低90~120cmクラスの

スペースが必要になるでしょう。

 

これは、クルマを運転されている方であれば

ご存知だと思いますが、

4輪のタイヤにおいて

内輪差というものが生じます。

 

その内輪差が必要な分だけ

スペースを確保しなければ

クルマはスムーズに

曲がれないということです。

 

車椅子の場合においても、

クルマと同様になり、

内輪差のスペースをきちんと確保しないと

曲がることができない点です。

通路幅が狭いといろいろな意味でトラブルになる

さらに注意したいのは、

ある程度の余裕のある幅が

確保できていないケースです。

 

例えば、洋服売場を想像してみてください。

 

車椅子で走行したときに、

いくら通れるからといっても、

商品の洋服にぶつかってしまうのであれば、

タイヤで洋服が汚れてしまうでしょう。

 

そうなると汚してはいけないと思い

気持ちよくお買い物をすることが

できなくなってしまいます。

 

つまり車椅子で通ることは難しくなります。

 

次に職場の事務所を

イメージしてみてください。

 

職場の通路が狭かったら

毎回デスクで仕事をしている人に

「すみません、後ろ通りますので…」

と声をかけることがあるでしょう。

 

1度や2度であれば

「お互い様」と言えるかもしれません。

 

でも1日に何度も発生すれば、

話しかける方も話しかけられる方も

ストレスになってしまいやすいものです。

 

しかもその分、

お互いに時間のロスも発生します。

 

まさにマイナスのお互い様に

なってしまいます。

 

通路が広ければ何も声をかけることなく、

スムーズに通れるものの、

声をかける分だけストップします。

 

信号機の青に変わるために

待っているような状態です。

 

逆に声をかけられる方は、

集中していた仕事を

中断しなければならないのは、

仕事の能率にも影響が出るでしょう。

 

であるならば、

はじめから通路の幅を広くしておけば、

トラブルが発生することなく

お互いに働きやすい職場へと

変わっていくでしょう。

荒井注さんのカラオケボックスみたいにならないためには

しかも通路と同時に考える必要があるのは、

ドアの幅の確保でもあります。

 

このドアの幅が車椅子で通れない

サイズになっているケースをよく見かけます。

 

部屋の中は大丈夫なのに

通路が通れないことも

注意しなければなりません。

 

まさに元ドリフターズの荒井注さんが、

新しくカラオケボックスを開店させようと、

建物やカラオケ機器を

購入してしまったにもかかわらず

営業できなかった出来事と同じです。

 

荒井さんは、カラオケルームに入る際に、

カラオケ機器を入れるための

ドアの幅を計算しておらず、

結局、カラオケ機器を入れることが

できなかったんです。

 

そしてテレビのワイドショーで

荒井注さんのお決まりのセリフ

「なんだ、馬鹿野郎!」

とつぶやいたあの出来事です。

 

皆さんも覚えていますよね。

 

まさに設計ミスの典型例です。

 

当時、私は腹を抱えて笑ったことを

覚えています。

 

荒井さんはその後、

どうされたのかは分かりませんが、

車椅子の場合もドアが狭いと入れないんです。

 

これは笑いごとでは

すまされないでしょう。

 

そのために通路幅を設定するときには、

できれば事前に

「車椅子への試乗チェック」

「車椅子利用者の意見のチェック」

を取り入れて設計することが

利用される方に喜んでもらえる

重要なポイントではないでしょうか?

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