車椅子利用のバリアフリー設計における注意すべきポイント

2017.04.12 (水)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回ご紹介するのは車椅子で利用できるように記載されてあるにも関わらず、実際はそうではない・もしくは疑問の残るようなケースを考えてみたいと思っております。意外と車椅子ユーザーにとっても同伴される方にとっても注意しなければならない内容です。

車椅子のままトイレに入ったらドアが閉まらない設計ミス

1つ目は、大手コンビニチェーンを利用した時の事です。ホームページにあるトイレマップにおいて多目的トイレが設置されている表示がされていたので、目的地の近くにあり利用することにしました。

1度目に行ったときは、「故障中」という貼り紙が掲示されていて利用できなくて、先日再び利用しようとしたら、ドアの前に台車が置かれていて入れず。店員さんに何とか動かしてもらって、トイレに入ったらこれまた全く使えず。

今回の問題は、車椅子が入ったらドアが閉まらないという設計ミス。入口には車椅子のマークが貼ってあるにも関わらず、全く意味をなさないものでした。店員さんは2度ども同じ不機嫌な方でしたので、何も指摘をせず後にしました。目的地の近くにあってホッとしていただけに、とても残念でした。

ただ気になるのは大手コンビニチェーンの多目的トイレなので、他店舗においても設計上はあまり変わらないはず。もしかしたら他店舗でも同様な事が起きている可能性もありますので、調査してみたいと思っております。

バリアフリーであることのPRが使い勝手の悪さで裏目に出るケース

2つ目は、大手焼肉チェーンを利用した時の事です。ホームページにはバリアフリーが整っている店舗を掲示されていました。実際に行ってみると、テーブルとイスは固定されているボックス席のみであり、車椅子に座ったまま食事をするにはかなり厳しい状態でした。しかも焼肉を焼くプレートには手を伸ばしても届かない状態でした。

多目的トイレは、車椅子がトイレのドアを通過できるだけのもので、これでは多目的トイレ(身障者用トイレ)とは言えないレベルでした。残念ながらホームページの情報だけを鵜呑みにしてしまうと、行った際にトラブルが発生するように思えました。

重要なのは車椅子利用者のチェックを通して設計すること

こういったケースでよくあるのは、企業側の努力によって、今後のバリアフリー化を見越して店舗の改装をしようとした場合によく見られます。残念ながら手すりがつけられていないなどの初歩的な課題があります。

もちろん、障害者・高齢者にとっては立位の有無・歩行の有無など状態のレベルは様々なので企業側にとっても難しいと思われますが、車椅子のマークをつけているのであれば、車椅子利用者の目線で設計をすることが重要だと思います。できれば一度車椅子利用者のテストがあった方がいいでしょう。

企業側において大きなお金をかけて改修工事をするのですから、設計の失敗はもったいないですし、状況によってはクレーム対応などのトラブルによって逆効果を引き起こす場合があります。ぜひとも当事者の目線を大事にしていただきたいと願っております。

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