新一万円札の渋沢栄一氏の『論語と算盤』から考えてみるバリアフリー

2019.09.10 (火)

あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

現在は高齢者3500万人の時代です。

 

そのためバリアフリー化を求めている方々が、多くなっている時代でもあります。

 

その時代背景の中で、経営者の皆さまが「バリアフリーを導入したい」と思っても、「いいことだけど負担がかかるだけでしょ」と思ってしまい、断念される方がほとんどではないでしょうか。

 

でもバリアフリー化が集客などにつながるプラスの側面をもっていたらどうでしょう。

 

少しは見方が変わってくるに違いありません。

 

その点を踏まえて今回お伝えします。

想いだけでは伝わりにくい

もう20年前のエピソードですが、このようなことがありました。

 

私は当時リハビリを終えて会社へ復帰することになりました。

 

それでも以前入院していたリハビリ病院には、たまに通院することがありました。

 

その際に看護師さんから言われたことがありました。

 

「白倉さんが勤めている会社に車椅子利用者でも測れる体重計があれば、車椅子利用者にとってものすごく便利だから置くように話をしてもらえないか」

 

確かに車椅子でも測れる体重計というのは、ほとんどの施設にはなく、現在でも総合病院でもあるところはわずかでしょう。

 

そのため退院した車椅子利用者が、体重を管理することはかなり難しいと言われていました。

 

当時からメタボリックシンドロームなどの話も出始めていました。

 

私は復帰して間もない状況で、当時の総務課長に「車椅子でも測れる体重計を店舗に設置するのはどうでしょうか」と提案しました。

 

課長からは「導入すれば喜ぶ人がいるかもしれない。でも1台40万円かかるものを取り入れたところで、どれだけの人が使うかの見込みもなければ、それが集客につながるのかが全く分からないで取り入れることは難しい。残念だけど想いだけではできない」と返ってきました。

 

その旨をリハビリ病院の看護師に説明したら「なぜあなたの会社はこんなに素晴らしいものを入れようとしないの。世の中に絶対必要だと思うのにおかしいじゃない!」と思いっきり怒鳴られました。

 

私にはどうすることもできずに、かなり落ち込みました。

お金の問題をどう解消していくか

実際に現在のバリアフリーも同様の案件だと考えています。

 

公共交通機関、大型商業施設などがバリアフリー化が進んでいるのは、あくまで法律上で設置しなければならないためでもあります。

 

逆にそれ以外の民間の施設が進まないのは、法律の義務化がされていないからであり、かつコストだけがかかってしまうと考えてしまうからです。

 

もちろん経営者の皆さまの中には、採算が取れているので、少しでも社会貢献のためにバリアフリー化を導入したいと考えてくださる方々もいらっしゃいます。

 

でも大半は、さすがに採算が取れていなければ、導入するのは厳しいと判断してしまうでしょう。

 

私も当時、総務課長へ提案をした立場でしたが、その後15年後には自分が同じ課長になった時に振り返ると、当時の経営状況はとても厳しく、1台40万円かかるものを導入するのは間違いなく不可能でした。

 

自分が良かれと思って導入を考えても、社内の決裁伺いを提出した段階で部長から却下を受けることは間違いありません。

 

そういった観点を踏まえると、民間の施設へバリアフリーの導入していくためには、結構ハードルが高いことも事実です。

 

大手企業だからと言っても、なかなか簡単ではありません。

 

世間では「民間の路面店などにもバリアフリー法を適用せよ」という声も聞いたことがあります。

 

でもさすがに現在でも経営が厳しい中小企業に影響を及ぼしてしまい、場合によっては倒産件数の増加につながってしまう恐れもあります。

 

すでにバリアフリー化が当たり前とされているアメリカのようにはいかないでしょう。

 

そこで私としては、これだけ民間の施設がないのであれば、むしろバリアフリーを導入することでメリットをお伝えしなければ振り向いてくれないと考えました。

 

例えば、集客などにつながる手法になることで、経営者の皆さまにとっても導入しやすくなると考えています。

 

つまりビジネスツールとしてバリアフリーを導入していくことです。

今だからこそあなたのお店だけの特徴が誕生する

しかしそのためには、単に設備だけがバリアフリーになったとしても効果がないでしょう。

 

実際にバリアフリーの導入しているのはすでに大型商業施設にはあるわけですから…。

 

そこで必要となるのが、従業員のモチベーションを上げて、お客さまへのサービスレベルを向上していくノウハウが必要になります。

 

なぜなら顧客満足だけを打ち出しても、従業員満足が得られていない組織であれば、顧客満足につながらないことを、以前在籍していた店舗で経験をしたからです。

 

そのため「ES(従業員満足)なくしてCS(顧客満足)なし」だと思っています。

 

まずは従業員のモチベーションを上げていく研修から必要になるでしょう。

 

そしてバリアフリー化を導入したからといって、誰にも知られなければ全く効果が上がらないでしょう。

 

お客さまに知っていただいてはじめて、「あのお店には行ったことがなかったけれど、車椅子でも入れるだって。じゃあ、一度行ってみようよ!」となります。

 

そして初めて集客ができるでしょう。

 

そのときに、設備以外の点で、スタッフの接客応対がとてもよかったら、「あのお店の方々は、私たちの気持ちが分かってくれるからまた行こうよ!」と思ってくださるわけです。

 

つまりリピーター化にもつながります。

 

これが民間の施設にバリアフリーを導入していく上でのプロセスだと思っています。

『論語と算盤』のバランスが大事

そして経営者の皆さまは、今までお越しできなかった層のお客さまがいらっしゃることで、集客につながるでしょう。

 

またどこも実施していないバリアフリー化をあえて実施していることに対して、社会貢献にもなっている活動でもあります。

 

それが人の優しい店舗だと思われる素敵なことにもなります。

 

利用者側の立場からは、明らかに超高齢化社会で増加している車椅子利用者の人口増に対して、地域で唯一実施に踏み切ってくれたお店があることに心から嬉しく感じるでしょう。

 

つまり経営者の皆さまもWIN、利用者の皆さまもWINとなるのです。

 

私はある人から薦められて渋沢栄一の『論語と算盤』をもう一度読みました。

 

大事なことは、一見すると相反する「論語」と」「算盤」かもしれませんが、その両方が一致することがビジネスの上で成り立つことです。

 

論語だけでもダメ、算盤だけでもダメだということを身に沁みました。

 

先ほどのエピソードの体重計でいえば、割合は「論語100:算盤0」のようなものです。

 

だからこそ「算盤の0」を上げなければ導入は難しくなるでしょう。

 

いくら正論だけを述べても人は動かないことがほとんどです。

 

やはり費用対効果が必要になる材料として、私の今までの経験をもとに、算盤0を上げて「論語50:算盤50」になるような取り組みを提案しております。

 

そしてバリアフリーを導入していく店舗が、永続的に繁栄し続けるようになってほしいと考えております。

 

注:CS(従業員満足度)とは「Customer Satisfaction」の略

注:ES(顧客満足度)とは「Employee Satisfaction」の略

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