バリアフリーの第一歩は段差を解消することから始めてみては?
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
お店探しの際に選ばれない基準は、
「敷居が高そう」「お店の雰囲気が暗い」
「飲食店なのに誰もお客さまがいない」とか
いろいろな理由があると思います。
これは車椅子利用者であるなしに関わらず、
入店するのをためらってしまいがちですが、
車椅子利用者にとっての条件はさらにあります。
「パッと見て入れるのかどうか」です。
まず真っ先に感じてしまうのは
「段差の有無」になるでしょう。
もしあなたのお店があなたのお店の味で判断されないで
段差だけで候補に上がらないのは
残念ではないでしょうか?
そこでもしどうしても段差があるとしたら、
どのような段差ならかろうじて大丈夫で、
どんな段差なら難しいのかをご紹介したいと思います。
2段以上の段差は完全にクリアできない
車椅子利用者が
まずはパッと見てためらってしまうものは、
「2段以上の段差」です。
1段だけであればクリアできる可能性がありますが、
2段のクリアは上ることができません。
いくら前輪キャスターをもちあげても、
さすがに2段を乗り越えることはできません。
つまり、たった2段と思ってしまうかもしれませんが、
明らかにバリアとなってしまうのです。
もし入店するのであれば、
最低でも車椅子ごと持ち上げてもらう4人の介助者が
必要となってくるでしょう。
(電動車椅子であれば、
重量があるので4人でも不可能かもしれません)
次に「1段の段差」の場合です。
介助者がいたならば10㎝程度の段差であれば
対応できるでしょう。
10㎝以上の段差であると、
前輪キャスターを上げる高さが高くなってしまい、
持ち上げるのにはかなり大変になり、
介助者に負担がかかるでしょう。
車椅子利用者が単独の場合には、
前輪キャスターを上げることができる人ならば
5㎝程度の段差はクリアできるでしょうが、
前輪キャスターを上げることのできない人
(車椅子利用の初心者や頸椎損傷の方など)は
たった2㎝の段差でもクリアしにくいでしょう。
なぜなら漕ぐだけでは前輪が
持ち上がらないために段差を上ることはできません。
そうなると、
車椅子利用のお客さまが1人の場合は1㎝以内。
介助する人、もしくはお店の人がアシストするのあれば、
状況によってはクリアできるという点です。
さすがに何十段もある階段であれば、厳しいでしょう。
そういった状況を間近で感じたら、
車椅子利用者は「段差がある=入るのをやめる」
判断をしてしまいます。
お店の立場からでは「言ってくれれば対応します」と
思うかもしれませんが、
わざわざ人に依頼をするということは
そうそう気軽にはできないものです。
もしお迎えする体制ができているのであれば、
店頭にその旨を掲示しておいたり、
ホームぺージに掲載しておく必要があるでしょう。
たった2500円で幅が広がる世界
その対策としては、
勾配を計算したスロープを
設置するのは望ましいことですが、
スペース的に難しい場合もあるでしょう。
もし場所の確保やコストの問題があるならば、
入口に大がかりなスロープまでは
難しくても1段であれば
ホームセンターで販売されている
段差解消プレートで何とかなる場合があります。
安いものでは2500円程度です。
もし1段しかないのであれば「たった2500円」で
車椅子でも入れるお店になる可能性があります。
そう考えたら決して高い買い物ではないはずです。
もちろん、これだけで「うちはバリアフリーです!」と
名乗ることはできませんが、
少しでもお客さまを増やしていきたいと
思うの出れば設置してみてはいかがでしょうか?
まずは身の丈に合わせて、
思いを行動に変えていくことから
スタートすることではないかと思います。
普段何気なく通り過ぎている車椅子利用者が、
「ちょっとお買い物をしてみよう!」とか
「ちょっとお食事をしていこう!」と
思うかもしれません。
その後できれば、きちんと勾配の緩やかな
スロープなどを設置していただければ
利用されるお客さまが使いやすい
お店になるでしょう。
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