今だからこそバリアフリーをビジネスツールにできる理由
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
店舗などの商業施設をバリアフリー化にするにはさすがにお金がかかります。
設備の改修工事が必要となるでしょう。
そうなるとどうしてもネガティブになってしまいます。
でも見方を変えてみてはいかがでしょう。
バリアフリーをビジネスツールとして考えてみてはどうでしょうか。
明らかにこの10年で車椅子利用者が街中で見かける世の中に変わってきています。
その方々がバリアフリーの店舗を探しているからこそ、ものすごくニーズがあります。
ネガティブに捉えてしまうからアクションに移せない
お金をかけてバリアフリー化にすれば、障害者・高齢者が行きやすくなるスポットに生まれ変わることは誰でも分かるはずです。
ところが大半の方々は、未だバリアフリー化を福祉的な観点だけの捉え方でしかできていないでしょう。
そうなってしまうと「バリアフリー化=コスト=福祉」といった考え方で収まってしまいがちです。
そこで「バリアフリー化にしませんか?」と問えば、返ってくる言葉は「うちはお金がないので対応できません」となります。
これこそネガティブな発想でしかありません。
そこで見方を変えてみてください。
決してネガティブで終わらないのがバリアフリーです。
コストをかけても、障害者・高齢者が行きやすくなれば、必ず得るものがあります。
事例を挙げてみますと、ファミレスの「とんでん」のバリアフリー化です。
とんでんは、10年以上前から車椅子利用者でも気軽に入れる和食レストランチェーンです。
いわばファミレス界におけるバリアフリーのパイオニア的存在です。
多人数での来店、リピーターは利益増加につながる
私自身もとんでんに行けば、多目的トイレも身障者駐車スペースも段差もないので安心です。
これは私だけでなく、多くの高齢者の姿をよく見かけます。
明らかに誰が見ても、年齢層の高いお客さまの数が他のファミレスチェーンより圧倒的に多いことを感じることでしょう。
つまり障害者・高齢者が多く来店されることで、客数増につながり、利益にも影響するはずです。
しかもとんでんでよく見られる光景は、高齢者1人で来店されるわけではなく、集団での来店が多いことです。
老人福祉施設に行かれている方々と介護士さんなどで訪れる光景をよく見ます。
したがって人数が多いことで、利益増加にもつながるでしょう。
さらに行けるところが限られている人たちにとっては、「とんでんであれば大丈夫」という安心感を持っているので、おのずとリピーターも増えます。
そういった光景になるのは、明らかにバリアフリー化の飲食店が、世の中にものすごく少ないからです。
バリアフリーが儲かるツールになっていく時代
ここまでお話すれば、バリアフリー化におけるプラスの部分が想像できるようになってきているはずです。
しかし、日本人における特徴である清貧思想が邪魔をします。
それはお金を儲けることが悪いと考えてしまうようなものが、バリアフリーにも存在します。
だからビジネスツールにするのは、相応しくないと考えてしまいがちです。
聞いたことがある話ですが、せっかく多目的トイレが設置されているのに、告知しないとか目立たせないとか考えてしまう傾向が企業にはよくあることです。
でも多目的トイレがある場所を探している車椅子利用者がいるのに、企業側が後ろ向きであったら誰のためになるのかという点です。
むしろ多目的トイレがあることを大々的に伝えて、「うちのお店はバリアフリーです!」と公言してしまうことが、人の役にたつことにつながります。
そこでお客さまが増えて、バリアフリーになって喜ばれて、売上が上がったら、車椅子利用者にとっても経営者にとってもうれしいことではありませんか。
まさにWIN・WINです。
今こそ、バリアフリーに対する従来の清貧思想を解き、新たなイメージで考えてみると、ビジネスチャンスであることを感じるようにできるでしょう。
そしてバリアフリーが企業にとってビジネスツールとなることが、他の企業ではやっていない最先端の考え方となり、車椅子利用者が増えている現在において、大きな収益につながっていくでしょう。
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