ドライブスルー化は車椅子でも利用できるバリアフリーの1つ
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バリアフリースタイル代表の白倉です。最近は私が住んでいる周辺の店舗に、牛丼やハンバーガー以外にもカレーライス・寿司などがドライブスルーになってきています。一見すると「ドライブスルーって車椅子利用者に便利なの?」と思ってしまいがちですが、クルマに乗る機会の多い車椅子利用者にとっては意外とありがたいものです。アイディアによっては、企業がドライブスルーにすることによって、社会に貢献できるものがあるのではないでしょうか?
クルマからの乗り降りがないからとにかく便利
実際に車椅子利用者が、目的の店舗に行って、クルマから車椅子を降ろして乗り移る行為は、意外と時間がかかります。頸椎損傷の方だと5分くらい時間を要すケースもあるでしょう。また雨が降ったときにクルマから降りる時にびしょぬれになってしまうことも考えれば、クルマの中に居ながら商品を購入できるサービスは、ある意味バリアフリーなのかもしれません。
以前のコラムでもお伝えしたお葬式のバリアフリーですが、かなり世間からの賛否両論が出ていました。しかし当事者の声のほとんどは、賛成が多かったように思えました。実際にお世話になった故人に最後の挨拶をしたいものの、葬儀式場がバリアフリーでないためにあきらめてしまうようなこともあります。実際に私も1度そういった経験をしたことがあります。
友人や同僚であれば我慢することはできても、故人の身内である場合はそうはいきません。しかも喪主となるべき対象にいながらも、バリアフリーでないために葬儀に参列できないのは寂しすぎます。特に超高齢化社会においては、車椅子利用者が増えていることから、ニーズはあるでしょうし、バリアフリーの施設が増えることは大歓迎です。
バリアフリーは選択肢が増えることで利用しやすくなる
ここでの大きなポイントは、選択肢が増えることが車椅子利用者にとって利用しやすくなることです。なぜなら現代社会においては、選択肢が少ないから、YESかNOで迫られてしまうことでNOになってしまいがちですが、選択肢が増えることで、もしかしたらYESに変えていけるものが多くなっていくでしょう。しかもそういった苦痛は、実際に経験している当事者やそのご家族でないと分からない問題でもあります。
そういった方々にも生活の幅を広げて、チャンスを掴んでいただけるような社会になっていくことを期待しております。一般の人にとっては、意外と喜ばれないものだと思っているものまでが、バリアを感じて生活している人にとっては朗報であったりします。それがお店に来店するきっかけになり、行ける場所が限られた社会においては、リピーター化につながるでしょう。
そうなればドライブスルーも大きなバリアフリーの一環とも言えます。気軽に行けなかったお店がクルマに乗りながら、帰りに商品を買っていくことができる場所になったことで、特にクルマからの乗り降りに時間がかかったりする車椅子利用者にとっては、便利なスポットになるにちがいありません。いかに当事者の目線で考えてみることが、新しいアイディアを生むのではないでしょうか?
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