車椅子のバリアフリー化は楽しめるエンターテイメントへ
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バリアフリースタイル代表の白倉です。スポーツ観戦・音楽鑑賞・映画鑑賞など車椅子でも利用できる状況に少しずつなってきて、現地には多目的トイレやエレベーターの設置などもされてきていることは、利用者の1人としてとてもありがたく感じます。でも実際に現地に行ってみると、思っているほど車椅子利用者がいないように感じることもあります。どうしてなのか私なりに考えてみました。
設備投資をしたバリアフリー化を活かすには「見える化」
まずスポーツ観戦ですが、野球をはじめいろいろなスポーツにおける観戦は、ほとんどバリアフリー化になりつつあります。プロ野球の観戦には以前よく行ったものの、チケット購入~駐車場において、分かりにくい部分があります。結局のところ、「どうやってチケットを買ったらいいの?」と感じてしまうのは、ホームページの「情報の見える化」がイマイチなのかもしれません。
ホームページでは分からないために、電話での問い合わせをしてはじめて分かるようなことが、未だに多くあります。特にチケット購入のやり方はホームページで分かったとしても、駐車場の確保ができるかどうかが分からなかったりします。なぜなら車椅子利用者は、クルマで行く人が多い中で、現地で身障者用駐車スペースを探すのはかなり厳しいものを感じます。探しているうちに1時間くらいあっという間に過ぎてしまう場合もあります。
そのためチケット購入と駐車場確保については、一般用と違って一体化が望まれます。またホームページには、多目的トイレの場所をはじめバリアフリー化の状況が分かるようにしておければ、利用者にとって安心感が得られるでしょう。そういった利用者が行きやすくなる情報を掲載することで、設備投資をして作り上げたバリアフリー化が活かされるのではないでしょうか?
利用者が楽しめる空間設計にすれば楽しめる
次はスポーツ・音楽・映画などすべてに共通することですが、利用者が楽しめる空間設計がイマイチな点です。例えば、館内には車椅子利用者スペースを確保していても、一番前か一番後方のスペースであるために、楽しむにはちょっと残念に感じる場所となっています。映画館に限っては、一番前にしか車椅子用スペースがなく、スクリーンを見るのに首が疲れてしまうようなこともよくあります。
そして車椅子利用者と一緒に来た方が離れて観るようなケースもほとんどです。野球においては、車椅子利用者が前方で同伴者が後ろというような配列になっていることが多く、一緒に来て前と後で観るのは、あまり楽しめる環境ではありません。先日行った音楽鑑賞においても、車椅子席は一番後ろ(単に座席がないだけが車椅子席)になっており、同伴者は隣に座るようなことができませんでした。
今後利用者の方々にお越しいただきたいと考えるのであれば、ぜひとも「ある」から「楽しめる」に変えていくことが求められるでしょう。経営者の方に聞くと、「あるだけでも頑張っているので、それ以上の無理は言ってもらいたくない」という声もあります。もちろんコストをかけて対応してくださったことは本当にありがたいことですが、せっかくお越しいただける環境を造るのであれば、少しでも満足していただくことに焦点を向けてみてはいかがでしょうか?
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